不動産会社にとって底地は面倒な存在だと思われている。地主から相談を受けても、それとなしに断る会社もあるという。しかし、そうした考えのほとんどは底地やそれを含む借地に関する知識に乏しいゆえの、思い込みでしかない。


底地ビジネスに積極的に取り組むワイズ不動産投資顧問の山田純男代表は、「底地こそが、不動産ビジネスのラストリゾートだ」と断言する。それはなぜだろうか。底地ビジネスが、中小・地場・零細不動産会社にマッチングする理由とともに紹介する。

「底地は面倒くさい…」は嘘だった! 

底地を面倒に感じる不動産会社は多い。「非常に手間がかかる」と考えてしまうからだ。

たしかに、底地が不動産ビジネスとして利益を生み出すまで、いくつかの工程を経る必要がある。

例えば、地主から底地売却の相談があった場合、右から左に土地を売り渡せば良いというわけではない。

境界線の確定や借地人との交渉、売却先探しなど、手間と労力を要する。そもそも、底地には土地を借りている借地人がいるため、土地を購入しても使用することはできない。当然だが、権利だけを買いたいと思う買い主はほとんどいないのだ。

しかし、良い面もある。

底地地主は通常の不動産売主のように、「もし売れたら売る」といった安穏とした考えではない場合がほとんどだといって良い。「今すぐにでも手放したい」と考えている地主は多い。多くの底地地主は底地で発生する税金の支払いを恐れているためだ。

この点について、少し解説しておこう。

当然ながら、地主は借地人から地代を得ている。しかし、「底地」と呼ばれる所以でもあるが、土地の賃貸借契約を結んだのが半世紀以上前といったことが多く、相場と乖離した地代しか支払われていないことが多い。

しかし、毎年発生する固定資産税は、現在の固定資産税評価額によって課税される。そのため、固定資産税を支払うと利益が残らない底地もあるのだ。

それだけではない。

地主が死亡し、底地に対して相続税が発生する。底地の相続税評価は、時価の土地価格で算出されるため、大きな税負担が発生する場合もあるのだ。また、納税資金をまかなうために売却をすすめようとしても、買い手を選ぶため、なかなか売れない。収益性が低く重い税負担が発生する底地は、地主にとってはいち早く手放したい喫緊の問題なのだ。

しかし、見方を変えると「地主から底地の相談さえあれば、かなりアツいお客になる」と考えればいい。そうした逆転の発想こそがビジネスの種であることは言うまでも無い。

では、どうやってビジネスにすれば良いのだろうか。

次章で説明していこう。

底地をどうビジネスに?


ワイズ不動産投資顧問(東京・千代田区)は、20年近く底地ビジネスを中心とした不動産業を行っている。

社長の山田純男氏によれば、底地は「不動産ビジネスのブルーオーシャン」だと言う。

その理由を紐解く前に、同社が行っている底地ビジネスの仕組みを解説しよう。

底地は超安定の農耕ビジネス!?

端的に言えば、ワイズ不動産投資顧問の底地ビジネスは、地主から底地を買い取り、借地人から賃料収入を得る構造になっている。

先述したように、底地はその権利だけを買いたいと思う人は少ない。そのため、底地は通常の土地の価格に比べてかなり安く購入することができる。税負担から解放されたいと考える地主にとっては藁にもすがるという心境なのだ。土地の仕入れ値が安ければ、借地人からの賃料収入が変わらずとも利回りを上げることができる。

また、意外なことに底地は滞納リスクが低いという。相場よりも安い地代であることや、金融機関が代払いするケースもあるのだ。代払いとは、例えば借地人が土地に建物を建てた場合、賃料を滞納すると建物に抵当権をつけている金融機関にとっては担保物件が滅してしまう可能性があるため、借地人に代わって地代が支払われる。

そのほかにも下記のような一時金が借地人から支払われる慣行がある。

借地人から受け取れる主な一時金

参考:『売れますよ、その底地』(全国借地権協会著・現代書林)



山田氏は「底地のストックビジネスは、超農耕ビジネスだ」と言う。全体として入ってくる賃料は決して高額ではない。しかし、安定した収入を確保することができる。景気動向に左右されないビジネスなのだ。

また、借地人から「借地権を手放したい」という相談があった場合にも、土地の条件が良ければ、更地として売却することもできるため、将来的に大きな取引が見込めるということになる。

底地は投資商品にもなる

また、同社では投資家を対象に底地投資を販売し、底地の管理という名目で管理費をもらっている。もちろん、安定した収入は投資家にとっても魅力的だ。

底地ビジネスがラストリゾートになる理由とは?メリットとは?


山田氏は、底地ビジネスの大きなメリットを3つ述べている。

①大手不動産会社と競合しないニッチな分野

まず、大手不動産会社が底地ビジネスを取り扱わないという点だ。

底地ビジネスは取得したとしても賃料収入が低く、またいつ売却できるか見込みを立てづらい商品だ。そのため、ノルマや見込み獲得に追われている大手不動産会社の営業社員と競合することはほぼない。

②同一地主から複数の依頼を受けることが多い

底地を買い取る場合、その売主となるのはほとんどが地主になる。そのため複数の底地案件を任されるケースや、他の不動産資産の運用に関する相談を受けるケースもあるという。そういった点ではあらゆるビジネスの可能性がある。

③運営の手間や管理コストがかからない

ワイズ不動産投資では、底地以外にもビルやマンション物件の管理、運営もする。山田氏によると、「一般的な不動産物件のPM(プロパティマネジメント)に比べて、底地は圧倒的に手間がない」と語る。一般的な物件管理では、入居者のクレーム対応や建物の修繕計画、防水工事などが必要だ。しかし、底地は管理する建物もなければ、借地人はクレームもなく半永久的に土地を利用する。手間のかかる業務が一切ないのだ。

底地ビジネスを始めるなら ワイズ不動産投資顧問が完全サポート


では、実際に底地ビジネスを始めるにはどうすれば良いのだろうか。

ワイズ不動産投資顧問では、底地ビジネスを始めたい不動産会社をサポートしている。

・良い底地とはどういった条件なのか?

・購入するまでの手順は?

・底地を購入したい

など、底地に関するあらゆる相談を受け付けている。

また、ワイズ不動産投資顧問の「ワイズ会員」になれば、あらゆるサービスや得点を受けることができる。

開拓され尽くした不動産ビジネスに残されたブルーオーシャンに飛び込め!




全国借地権協会とも連携!


また、同社は借地の専門家である税理士・不動産会社らが集まった「全国借地権協会」とも連携を強めている。

同協会は、地主と借地権者のトラブルや相続問題など、借地・底地に関する問題解決に取り組んでいる。

また、2018年2月には『売れますよ、その底地 借地権のエキスパートが賢い方法を教えますを刊行し、底地によって困っている地主への啓蒙活動も行っている。

 
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