2024年9月11日~13日の3日間、インテックス大阪で開催される、不動産テックの展示会「不動産テックEXPO [大阪]」では、業界をリードする登壇者たちのセミナーやパネルディスカッション「不動産業界Labo!-出会い 学び 変わる-」も開かれる。
各日程で開催される講演の見どころについて紹介する。
イベント詳細
イベント名 | 第5回 不動産テックEXPO [大阪] |
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日時 |
2024年9月11日(水)~9月13日(金) 10:00~17:00 |
場所 |
インテックス大阪 |
主催 |
RX Japan株式会社 |
参加費 |
無料※事前登録制 |
1日目 不動産業界の生成AI活用最先端
1日目は、不動産テック協会の各理事が、不動産テックの様々なトレンドについてセミナーを行う。同協会理事でGOGEN(東京都港区)代表取締役 CEOの和田浩明氏は「不動産業界の生成AI活用最先端!」で、不動産業界における生成AI活用の可能性や実践事例について紹介する予定だ。
不動産テック協会が毎年発表している「不動産テックカオスマップ」でも昨年より新たに「生成AI」カテゴリーが加えられた。
物件価格や地図、所有者の属性情報など、不動産や不動産テック界隈では様々なデータが取り扱われている。生成AIによって、これらの膨大なデータを活用した分析や市場予測などが期待されており、様々な活用方法が模索されている。
GOGENでも生成AIをいち早く取り入れたサービス「Chat管理人」を2023年より提供を開始。マンション管理に関わる対応や問い合わせをAIに対応させる実証実験を、大手マンション管理会社とともに進めているという。
今回の講演では、そもそもチャットGPTをはじめとした生成AIとはなんなのか。生成AIにはどのような種類があり、どういった特徴があるのかなど、AI技術やサービスを理解する上で基礎となる知識や押さえておきたいポイントを丁寧にわかりやすく解説することを念頭に置いた内容となる。
また、それらを使って具体的にどのようなことができるのか、業務効率化になどにはどのように活用すればよいのかといった実践的なノウハウに加え、既に活用が進んでいる大手をはじめとした不動産会社の活用事例やケーススタディなども多数に紹介されるという。日々の業務改善に直結する、実践的なAIスキルを学ぶことができるだろう。
ポイントは、このセミナーが大手企業だけでなく、中小の不動産事業者にも焦点を当てていることだ。企業の規模に関わらず、すべての企業がAIを活用できる時代が来ていることを示す良い機会となる。
業界の発展と自社の成長のために、新たな知識とスキルを身につける絶好の機会となることは間違いない。AI活用の第一歩を踏み出すきっかけとして、是非参加してみよう。
2日目 流導・木村氏によるセミナー・業者交流会
2日目には、流導(吹田市)代表取締役の木村圭志氏による3つのセミナーと交流会が1日を通して行われる。
今年で4年目となる木村氏の講演は、自身も不動産会社を経営していた経験から語られる、現場目線での具体的な効率化法やツール活用の紹介が人気だ。
「不動産屋が明日から使えるDXの第一歩 Googleスプレッドシート活用」では、Googleが提供する無料ツール「Googleスプレッドシート」の業務での活用法を取り上げる。昨年12月に開催された東京展でも、大きな反響があった講演が、さらにブラッシュアップされた内容になる予定だ。
「お金をかけてツールを導入しただけでは、DXに対する意識は変わらない。既存のリソースを活用し、会社全体の意識を変えていくことが重要」と木村氏は語る。
DX化・IT化が叫ばれる不動産業界では、多額の費用をかけて大がかりな改革を行わなければならないと感じている事業者が多いが、必ずしもそうしなければDX化しないわけではない。
「社長のスケジュールを共有することや、紙やエクセルで行っていた作業をスプレッドシートに移行するだけで大きな業務効率化につながります」(木村氏)。事例とともに、コストをかけずに実践できる方法を紹介するという。
もうひとつの目玉は、先進的な取り組みを行う不動産会社とのパネルディスカッションだ。登壇するのは、木村氏と買取再販を主軸とするTwin Company(東京都千代田区)・代表取締役の芳賀和樹氏だ。同社は、全社員が業務日報を自社HPに公開している点が特徴だ。「フルコミッション制の社員も含め、なぜそこまでして日報を書くのか、どうやって書かせているのか。それがどのような成果に結びついているのか。また、YouTube運営もしており、社員もすすんで登壇している。なぜ社員が登壇するのか、その成果はどうなっているのか。非常に興味深い内容になると思う」と木村氏は語る。
2日目の締めくくりには「不動産テックEXPO ビジネスセミナー&交流会」が開かれる。大阪府宅地建物取引業協会も開催協力しており、新たな出会いの場となることが期待できる。
2日目のセミナー・講演は、不動産業界のデジタル化に関心を持ち始めた事業者にとって、貴重な情報収集と交流の機会となりそうだ。従来の不動産ビジネスの枠を超え、新たな可能性を模索する場になるだろう。
「関西の現場にいる感覚として、最近やっと【DX】という言葉に興味を持ち始めてくれた方々が増えてきた。このイベントが、そういった方々がDX化に触れるきっかけになれば」と木村氏は期待を寄せている。
関西・関東を問わず、不動産事業者に対して営業支援や、最適なサービス/ビジネスのマッチングなどを行う木村氏。最近では助成金を活用した不動産会社向けのDX研修なども行っているという。
セミナー2日目は、DX化の最初の一歩を踏み出したい不動産事業者にとって、見逃せない1日となりそうだ。
3日目 人気漫画の原案者登壇&現場のホンネセミナー
3日目、「不動産営業の現場から、ホンネで語るテック活用」では、当・リビンマガジンBiz編集長の服部盛昭をファシリテーターとして、不動産事業者に向けたコンサルティングを展開するレコ(大阪市)・コンサルティング本部 取締役・コンサルティング本部長の梶本幸治氏、そして区分マンションを中心とした不動産売買を行うTOCHU(東京都文京区)・代表取締役の伊藤幸弘氏の3社によるパネルディスカッションが行われる。
これまで150社以上の不動産テック企業に取材をしてきた服部、全国の不動産会社の営業現場を支援する梶本氏、そして実際に不動産事業を展開する伊藤氏それぞれの立場から、現場では本当にテックが活用されているのか。テック事業者と不動産事業者との間にあるギャップなどについてフォーカスする。
パネルディスカッションは、質疑応答システムを活用して、登壇者にリアルタイムでの質問も投げかけられる、双方向での講演になる予定だ。特に伊藤氏には、TOCHU社の売上やマーケティング費用とその詳細、採用戦略といった要点をつまびらかに紹介してもらうことを想定しており、不動産会社経営における悩みや課題を紹介する赤裸々な内容となるだろう。
「『正直不動産』原案者が語る。これからの不動産会社の在り方」では、ビッグコミック(小学館)に連載中で、今年春にはNHKでセカンドシーズンがドラマ化された、人気漫画『正直不動産』原案者の夏原武氏が登壇する。
グレーな商慣習や業界の闇を、嘘がつけない主人公・永瀬財地を通して取り上げる同作は、夏原氏の緻密な取材や業界理解に基づいて作り上げられている。
実際に取材を通りして夏原氏自身が感じた業界への課題や、これからの不動産事業者の在り方について語られる予定だ。
その他にも、国土交通省・政策統括官付 地理空間情報課長 (併)内閣官房地理空間情報活用推進室参事官の矢吹周平氏による、「地理空間情報の活用に向けた取り組み」では、今年4月に公開された「不動産情報ライブラリ」を始め、国土交通省が主導するシステムやプロジェクトを通じて、同省の取り組みついて紹介する講演となっている。
3日目は、事業者や漫画原案者、そして官公庁職員による登壇と、バラエティーに富んだ講演になる予定だ。
不動産業界注目のサービスが集まる同時8展開催のジャパンビルド
「不動産テックEXPO」は、日本最大の見本市主催会社のRX Japanが主催する、「JAPAN BUILD OSAKA -建築の先端技術展-」内で同時開催する8つの展示会の1つだ。
※同時開催されるイベントは下記の通り
第8回 JAPAN BUILD OSAKA -建築の先端技術展-
- 【高性能】建材・住設 EXPO [大阪]
- 不動産テックEXPO [大阪]
- スマートビルディング EXPO [大阪]
- スマートハウス EXPO [大阪]
- 施設リノベーション EXPO [大阪]
- 建設DX展 [大阪]
- 商業施設・店舗DX展 [大阪]
- 建物の脱炭素EXPO [大阪]
これを逃せば、関西での開催は1年後だ。不動産テックや住宅・建物の最前線をこの目で確かめよう。
イベント名 | 第5回 不動産テックEXPO [大阪] |
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日時 |
2024年9月11日(水)~9月13日(金) 10:00~17:00 |
場所 |
インテックス大阪 |
主催 |
RX Japan株式会社 |
同時開催展 |
【高性能】建材・住設 EXPO [大阪] スマートビルディング EXPO [大阪] スマートハウス EXPO [大阪] 施設リノベーション EXPO [大阪] 不動産テックEXPO [大阪] 建設DX展 [大阪] 商業施設・店舗DX展 [大阪] 建物の脱炭素EXPO [大阪] |
参加費 |
無料※事前登録制 |
※注=出展社数は同時開催展を含む最終見込み数字です。開催時には増減の可能性があります。