2024年9月11日~13日の3日間、不動産テックの専門展示会である、不動産テックEXPO [大阪]が、関西最大級の規模で開催される。
インテックス大阪を会場に、いま注目のテックサービスや企業200社以上が一堂に会し、様々なイベントやセミナーが開催される予定だ。
「不動産テック」「不動産DX」といった言葉が登場して久しい一方で、まだまだ業界に深く根付き、大きく貢献している企業やサービスといったものは少ない。そこで、不動産テックEXPO [大阪]に出展する企業のなかで、編集部一押しの企業やサービスをピックアップし、サービスの特徴や来場時の見どころを2回にわたって紹介する。
イベント詳細
イベント名 | 第5回 不動産テックEXPO [大阪] |
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日時 |
2024年9月11日(水)~9月13日(金) 10:00~17:00 |
場所 |
インテックス大阪 |
主催 |
RX Japan株式会社 |
参加費 |
無料※事前登録制 |
カナリー・賃貸アプリと顧客管理、営業支援
まず紹介するのは、賃貸仲介会社に向けて集客や顧客管理、営業支援サービスを提供するカナリー(東京都千代田区)だ。
成約率・売上向上。賃貸仲介営業の新たな切り口
カナリー社が今回の展示会で紹介する主力サービスは、部屋探しアプリ「カナリー」と、不動産会社向けCRMシステム「カナリークラウド」の2つだ。
「カナリー(CANARY)」
スマホアプリ「カナリー」は、豊富な物件数と充実した機能で、探す若年層に向けた部屋探しを提供すると同時に、不動産仲介会社には新規顧客の開拓や成約率の向上、業務効率化を実現するツールだ。
アプリは、累計で400万ダウンロードを突破。20代から30代前半のユーザーが8割以上を占め、女性比率が6割と高いのが特徴で、SNS広告を中心に集客し、掲載物件数は数百万件に上る。
そのため、これまでの大手ポータルサイトからの集客とは異なったターゲット層にリーチできることに加え、物件探しへの意識の高いユーザーが多いため、質の高い反響が期待できることが特徴だ。
「丁寧に現場でのヒアリングを行い、ユーザーに取って若年層の嗜好に合わせたUI/UXの追求が、アプリの人気につながっています」と語るのはカナリー・取締役で営業本部長の横山駿介氏。
また、同社では反響獲得からの対応方法についてのコンサルなども提供している。「若いユーザーは、電話よりLINEでのコミュニケーションを好む傾向があり、そういった特性を踏まえた営業方法を不動産会社に提案しています」(横山氏)
実際に「カナリー」を使った集客を行っている企業の事例としては、反響からの成約率が20%、高ければ30%以上という効果が表れているという。
「カナリークラウド(CANARY CLOUD)」
2022年にリリースされた「カナリークラウド」は、不動産仲介業務に特化した顧客管理・営業支援システムだ。
広告出稿を行う複数の媒体での反響ややりとりを一元管理することで、ツールの煩雑な使い分けを解消することに加え、顧客に合わせた自動追客などが可能だ。
横山氏は「カナリークラウド」の特徴を、「使いやすいUI/UX」「BI(※)ツール並みの分析機能」「3つ目は自然な自動追客機」の3点だと説明する。
※注=BI(business intelligence)ツール。ビッグデータをわかりやすく分析するためのツール。
「『カナリークラウド』導入企業では、前年比で申し込み件数や売上が5〜10%向上している企業が多い」と横山氏は強調する。「カナリークラウド」が提供する詳細な分析機能と、それに基づいた同社のコンサルティングが結びついた成果といえるだろう。
出展ブースの見どころ
今回の出展では、アプリ「カナリー」と「カナリークラウド」、両サービスの魅力を伝える予定だ。
「サービスを実際に触っていただくのが一番わかりやすいと思います。口で説明するより、実際に操作して体感していただくことで、その革新性がより伝わるはずです」(横山氏)ブースのデモでは、直感的なUI/UXはもちろん、強力な分析機能や自然な自動追客機能など、サービスの特徴を十分に体験することができる。
イベントでは、集客に課題を感じている不動産仲介会社や、現場の生産性向上を目指す企業とのつながりを期待している。「データ分析が苦手な企業向けに、コンサルティング的なご要望にも対応いたします」と横山氏は付け加えた。
来場者には、特別キャンペーンとして、サービス導入時の初期費用を無料にする予定(※)だ。
※「カナリー」では別途ユーザーからの反響ごとに料金が発生します。 詳しくはお問い合わせください
賃貸仲介の新しい集客チャネルの開拓や営業効率化に課題を持っている企業は、一度足を運んでみよう。
企業名 | 株式会社カナリー |
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所在地 |
東京都千代田区麴町6-2-6 PMO麹町 11階 |
製品カテゴリ |
働き方改革・業務効率化、不動産会社向けシステム |
PICK・業界特化の電子契約でコスト削減と業務効率化を実現
不動産業界や建築業界に向けた電子契約「PICKFORM」を提供するPICK(ピック:東京都目黒区)にも注目だ。
印紙代削減と業務効率化
「PICKFORM」は2022年8月にリリースされた電子契約サービス。不動産取引や建築請負契約に特化した機能も備わっており、契約書作成だけでなく、顧客管理や資料共有など業務全般をカバーする機能が特徴だ。案件管理機能では、顧客管理だけでなく、資料の管理・共有も可能で、容量制限なしで大容量ファイルも共有ができるため重宝されている。
電子契約での契約締結は印紙が不要になる。そのため大手不動産会社が導入したことで、年間数千万単位での印紙代削減に繫がっているという。建築下請けや媒介契約など、あらゆる契約に活用可能で、不動産会社をはじめ、ハウスメーカーや買取再販会社、工務店など、様々な業種での利用が進んでいる。
「PICKFORM」は、同社が独自に開発した電子契約システムで、他社サービスに比べて廉価であることに加え、セキュリティ面での信頼性も高く評価されている。
2024年7月には、NTTグループの不動産運営管理会社であるNTTアーバンバリューサポート(東京都港)が「PICKFORM」を導入したことを発表した。
また、PICKの特徴的な取り組みとして、顧客コミュニティの形成に力を入れている点が挙げられる。
「『PICKFORM』を導入いただいている企業をお呼びしてゴルフコンペや、釣り大会などを定期的に開催しており、そこから不動産会社同士の取引も生まれている」と語るのはPICK・CEOの普家辰哉氏だ。こうしたリアルな交流の場を通じて、顧客同士のビジネスマッチングも促進している。
「『PICKFORM』というサービスの価値だけでなく、『PICKFORM』のコミュニティに参加する価値を提供している。これは他社にはできない我々の強みです」(普家氏)
サービスの拡充においても余念はない。顧客からの要望が多いCRM・SFA機能の開発にも着手しているという。
出展ブースの見どころ
イベント出展での見どころについて、PICK・CEO普家辰哉氏は「大企業から個人事業主まで、幅広い導入事例を紹介する予定です。また、契約書作成だけでなく、顧客管理や資料共有など業務全般をカバーする機能の充実ぶりをアピールしたい」と語る。
イベントでは特にハウスメーカーやビルダーとの接点を増やしたい考えだ。「建築請負工事をされている会社とつながりたい。不動産だけでなく建築分野でも使えることを知っていただきたい」(普家氏)
電子契約を導入することで、どのような成果に繫がるのか。電子契約に対しての質問などがあれば、PICK出展ブースを訪れてみよう。
企業名 | 株式会社 PICK |
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所在地 |
東京都目黒区下目黒2-20-28いちご目黒ビル5階 |
製品カテゴリ |
働き方改革・業務効率化、建設DX、不動産会社向けシステム |
TRUSTART・革新的な不動産データ活用で不動産仕入れ業務をDX
不動産登記データをはじめとする様々なデータを収集・分析し、その先にある業務までをワンストップに提供するTRUSTART(トラスタート:東京港区)も、大変興味深いサービスを提供する。
登記だけじゃない。様々な不動産データを収集・分析
TRUSTARTは、「R.E. DATA」「R.E.DATA Plus」といった不動産データの分析やマーケティング支援を行うプラットフォームを始め不動産登記やデータを活用した様々なサービスを展開している。
「R.E. DATA」は、顧客のニーズに応じてカスタマイズされた不動産データを抽出して提供するサービス。一方、「R.E.DATA Plus」は、Webブラウザ上で直接データを検索・閲覧できるサービスとなっている。
TRUSTART・代表取締役CEOの大江洋治郎氏は、サービスの特徴について「私たちは単なるデータ提供にとどまらず、お客様のビジネスプロセス全体をサポートすることを目指しています。たとえば、データから資料の作成、さらにはDM発送代行までをワンストップで提供することが可能です」と語る。データを抽出するだけでなく、そのデータを活用したDM送信や追客、物件調査といった一連の流れを一手に任せることができるのだ。
また、これらのデータは主に登記簿が活用されているが、TRUSTARTでは不動産業界の様々なニーズに応えるべく、柔軟にサービス設計されていることも強みだ。「たとえば、太陽光パネルの設置状況のデータベースを提供することで、関連企業の営業活動を支援しています。これは、従来の登記や不動産データの枠を超えた、新しい価値提供の形です」(大江氏)
業務時間を10分の1に。仕入れ業務を
実際に「R.E. DATA」を不動産営業の現場が活用することで、大きな利益に繫がっているという。
「ある10人規模の買取再販の会社では、当社のデータサービスに年間5,000万円ほどお支払いいただいています。その結果、売上で30億円、粗利で10億円ほどの成果に繫がっているというお声をいただきました」(大江氏)
単に、物件の所有者や売主、相続登記の情報をするだけでなく、不動産会社が求めている物件の条件にまで絞った情報だけをピンポイントで抽出できることも、大幅な業務効率化と売上向上に繫がっている。
「従来のアタックリストを作る工程と比べて、およそ5分の1から10分の1程度までコストと時間を削減できます。これにより、顧客企業は営業活動により多くの時間を割いていただいていることも、成果に繫がっています」(大江氏)
TRUSTARTのサービスを活用することで、単に作業時間の短縮だけでなく、企業のリソース配分の最適化にも繫がっている。人員を営業活動やクライアントとのコミュニケーションにより多く配置できることで、ビジネスの質的向上も期待できる。
出展ブースの見どころ
今回の出展の見どころについて、大江社長は「実際に当社のシステムを触っていただける環境を用意しています。特に、これまで検索できなかった条件軸でのデータ抽出など、業界の方々に驚いていただけるポイントが多数あります」と語る。
リアルタイムでの複雑な条件検索や、地図上でのデータ可視化機能などをその場で体験できるのは注目ポイントだ。従来の不動産データサービスでは困難だった、細かな条件設定や直感的な操作が可能となっている点を、来場者に体験してもらう予定だ。
また、「こういった条件データを出すことは可能か」といった来場者からの要望にも、その場で対応できる準備を整えているという。
イベントでは、主に不動産業界の仕入れ部門担当者とのつながりを期待している。「不動産業界は多岐にわたりますが、特に物件の仕入れを行っている部門の方々に当社のサービスの価値を感じていただけると考えています」(大江氏)
企業名 | TRUSTART 株式会社 |
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所在地 |
東京都港区南青山1-1-1新青山ビル西館7階 |
製品カテゴリ |
働き方改革・業務効率化、不動産会社向けシステム |
不動産業界注目のサービスが集まる同時8展開催のジャパンビルド
「不動産テックEXPO」は、日本最大の見本市主催会社のRX Japanが主催する、「JAPAN BUILD OSAKA -建築の先端技術展-」内で同時開催する8つの展示会の1つだ。
※同時開催されるイベントは下記の通り
第8回 JAPAN BUILD OSAKA -建築の先端技術展-
- 【高性能】建材・住設 EXPO [大阪]
- 不動産テックEXPO [大阪]
- スマートビルディング EXPO [大阪]
- スマートハウス EXPO [大阪]
- 施設リノベーション EXPO [大阪]
- 建設DX展 [大阪]
- 商業施設・店舗DX展 [大阪]
- 建物の脱炭素EXPO [大阪]
これを逃せば、関西での開催は1年後だ。不動産テックや住宅・建物の最前線をこの目で確かめよう。
イベント名 | 第5回 不動産テックEXPO [大阪] |
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日時 |
2024年9月11日(水)~9月13日(金) 10:00~17:00 |
場所 |
インテックス大阪 |
主催 |
RX Japan株式会社 |
同時開催展 |
【高性能】建材・住設 EXPO [大阪] スマートビルディング EXPO [大阪] スマートハウス EXPO [大阪] 施設リノベーション EXPO [大阪] 不動産テックEXPO [大阪] 建設DX展 [大阪] 商業施設・店舗DX展 [大阪] 建物の脱炭素EXPO [大阪] |
参加費 |
無料※事前登録制 |
※注=出展社数は同時開催展を含む最終見込み数字です。開催時には増減の可能性があります。