2022年12月5日~7日の3日間、東京ビッグサイトで開催される「第3回 不動産テックEXPO」は、RX Japan(東京都・新宿区)が主催する日本最大級の不動産テックのイベントだ。
今回は、出展企業の中から電話での営業効率を劇的に上げるRevComm(レブコム:東京都・渋谷区)と不動産の情報収集や案件管理を効率化するRESTAR(リスター:東京都・港区)、それぞれの成功事例を紹介しよう。
音声とAIで営業効率を上げる「MiiTel」
RevComm(レブコム:東京都・渋谷区)が提供している「MiiTel(ミーテル)」は、IP電話に、文字起こしや自動録音、話し方解析の機能が備わったセールステックツールだ。
「MiiTel」画像提供=RevComm
パソコン上から、簡単に通話を発信できるだけでなく、通話内容の録音や文字起こしに加え、ラリーの回数や沈黙、会話の被りや相手との会話の割合、声の強弱や周波数など7つの項目から、通話の内容をスコアリングする。
文字起こしの精度は非常に高く、上司や同僚への報告書としても活用されている。文字には音声が紐付いているため、手間をかけずに通話内容のニュアンスが伝わり、質の高いフィードバックが可能だ。
営業担当者ごとの個別の能力がスコアとして算出されるため、トップセールスと比べて何が足りないのかといった分析やトークスクリプト作成も簡単にできるという。
また、トークデータを蓄積することで、トップセールスが退職してもナレッジが溜まるといった部分は、人材の入れ替わりの激しい不動産業界では重宝されているポイントだ。
「MiiTel」は、累計導入社数1,550社、1億3,000万回の通話実績を誇る。なかでも不動産業界で活用された成功事例を紹介しよう。
資料請求からの成約率が2.5倍に
コロナ禍により、展示場への来場者が減少する中で、非対面で遠隔に営業活動を行う部門を作るハウスメーカーが増えている。とある地場の注文住宅メーカーでも、インサイドセールス組織の立ち上げとともに「MiiTel」を導入した。
ウェブからの反響に対し、「MiiTel」によってきちんとニーズをヒアリングすることを意識し、ヒアリングした内容を正確にフィールドセールスチームと共有できたことで、資料請求からの成約率が2.5倍に増加したという。また、電話での案内後、展示場に来場してから成約までの平均日数も110日から45日に半減した。
新卒社員の教育にも「MiiTel」が一役買っており、本来ならインサイドセールスとして独り立ちするために2年前後かかっていたものが半年ほどになったという。
一括査定サイトのアポ獲得率が31%アップ
売買仲介事業者が利用している一括査定サイトの対応においても「MiiTel」は活躍している。
売買仲介がメインの事業者が「MiiTel」を導入したところ、アポイントの獲得率が31%アップした。
これまで、日々送られてくる大量の反響への対応に時間がかかり、正確な顧客情報を伝達できていないことが大きな課題だった。「MiiTel」により通話内容を確認することで、ヒアリング内容を正確に現場の営業担当者に伝えられるようになった。
また、トークスクリプトのブラッシュアップも大きな効果があったようだ。マシンガントークになりがちな新人の教育においても、スコアリング機能(被り、沈黙、ラリー回数など各種数値)を活用することで、落ち着いた商談を意識するようになり、通電率も13%向上したという。
営業課題やセールス部門の成績底上げに貢献
「営業部門全体の底上げのため、トップセールスのノウハウを可視化したい。そしてトップセールスのパフォーマンスを量産したい。といったニーズから『MiiTel』を導入いただくケースが多いですね」と語るのは、RevComm・インサイドセールス・瀬河真ノ輔氏だ。
「MiiTel」には様々な活用法がある 画像提供=RevComm
不動産業界での導入事例が増えてきた中では「賃貸の接客における理想の声の強弱」や「不動産営業における会話ラリーの目安」「効果的な話す速度」などのノウハウも提供可能だという。
セールス部門の数字底上げや営業活動に課題を感じているのであれば、RevCommのブースに訪れてみよう。
企業名 |
株式会社RevComm |
所在地 |
東京都渋谷区渋谷1-3-9ヒューリック渋谷一丁目ビル7F |
製品カテゴリ |
不動産テック、業務効率化 |
繋がりたい企業、人 |
売買仲介、注文住宅、ハウスメーカー |
「REMETIS」瞬時に不動産取引に必要な情報を収集
RESTAR(リスター:東京都・港区)は、不動産の情報取得や検索、分析、管理ができるプラットフォーム「REMETIS(レメティス)」を提供している。
用地の取得や事業用不動産の購入検討などを進める際、これまでは様々なデータをバラバラに集計して社内への説明資料や稟議資料用にまとめるといった作業が発生していた。また、日々仲介会社をはじめとした様々なルートから物件情報が寄せられる中では、1件1件を丁寧に分析・判断することは非常に難しかった。
「REMETIS」なら、そういった検討材料として必要な登記や賃料、開発計画に加えて、独自で収集している売買履歴や所有者などをワンクリックで取得することができる。また、任意のグラフや資料を瞬時に作成し、資料作成にかかる作業時間や手間を大幅に削減する。
「REMETIS」の仕組み 画像提供=RESTAR
PDFなどで送られてきた物件情報も、OCR(光学的文字認識)技術で自動的に内容を読み取ってデータベース化する。マイソクや物件チラシも同様に取り込むことができ、それらのデータベースや案件情報を効率的に管理することが可能だ。
サービスリリース当初は、アセットマネジメントやデベロッパーでの利用が多かったが、最近では仲介会社や金融機関、ゼネコンなどの導入も増えてきているという。
では、どのようなシーンで「REMETIS」が活用されているのだろうか。
情報管理にかかっていた時間が10分の1に
先述のとおり、「REMETIS」を使えば資料作成における物件情報の入力や転記作業が完全になくなる。用地仕入れを行っている不動産事業者では、用地の情報管理にかかっていた時間が10分の1になったという。
また、営業資料や物件の概要資料、社内の稟議資料の制作に丸1日かかっていたものが僅か10分に短縮された。
「REMETIS」を導入した企業では、年間に検討できる案件数が平均で25%増加するといった効果も現れているようだ。また、1件当たりの購入にかかる時間が、10日程度短縮できるといった試算も生まれている。
商圏の拡大や新人教育に活用
メインとしていた商圏では物上げや取引できる物件が見つからない事業者が、商圏を広げる動きが活発になってきている。
得意でないエリアの不動産取引においても「REMETIS」を使えば、物件情報や周辺の市況情報などを把握することが可能だ。
また、業界経験が浅い社員であっても、案件の情報や過去の履歴を把握することで、すぐに実務に取り組むことができる。
売買仲介や買取再販事業者向けの機能も続々拡充
「人材難による人手不足に悩んでいる大手不動産事業者や業務効率化・DX化で生産性を上げていきたいデベロッパーだけではなく、地場・中小の不動産会社にもどんどん利用いただきたいと思っています」と語るのは、RESTAR・右納響代表取締役だ。
同様の他社サービスを利用しようとすると、導入までにかなりの時間を要し、膨大な費用も発生してしまうという。「REMETIS」であれば、簡単に導入ができ、まずは一部門からの利用などにも対応している。
また、売買仲介やゼネコンといった売り買いの間に立つ事業者に向けて、業者間や社内での物件情報のやりとりなどができる機能なども実装する予定で、様々なセールス・CRMツール、業者間サイトとの連携も進んでいる。
今年10月リリースの新機能、REMETIS独自のアルゴリズムにより非公開取引情報が収集可能に 画像提供=RESTAR
業務の効率化や事業拡大において「REMETIS」がどう活用できるのか、ブースに訪れて聞いてみよう。
企業名 |
RESTAR株式会社 |
所在地 |
東京都港区港南二丁目15番1号インターシティA棟22階 SPROUND |
製品カテゴリ |
不動産テック、業務効率化 |
繋がりたい企業、人 |
デベロッパー、アセットマネジメント、売買仲介事業者、買取再販事業者、ゼネコン |
450社が出展する日本最大級の不動産・建設の総合展
「第3回 不動産テックEXPO」は、不動産・建築の総合展示展「Japan Build -建築の先端技術展-」の構成展の1つだ。建材からDXソリューションなど、建築・建設業界の幅広い最新の製品が出展する。
「Japan Build -建築の先端技術展-」は7展で構成されており、全体で450社が出展、うち200社は初出展となる。
自社の利益や生産性向上などに繋がるサービスに出会えるまたとないチャンスになっている。
イベント名 |
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日時 |
2022年12月5日(月)~7日(水) 10:00~18:00(最終日のみ17:00終了) |
場所 |
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主催 |
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同時開催展 |
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参加費 |
無料 (通常¥5,000 ※WEBからの事前登録にて無料) |
※注=出展社数は同時開催展を含む最終見込み数字です。開催時には増減の可能性があります。