賃貸管理ソフト「賃貸名人」利用企業への取材企画第5弾。
今回は、埼玉県本庄市の不動産会社に取材を行った。
JR高崎線「本庄」駅
JR高崎線「本庄」駅から車で7分程度のところに、キリン不動産(株式会社大橋、埼玉県・上里町)がある。
同社の創業は昭和21年(1956年)、元々は群馬県倉渕村(現在は高崎市に編入)で木材の卸し・販売を行っていた。そのなかで建築施工やリフォームなどもてがけるようになり、平成25年(2013年)に「キリン不動産」という屋号のもと不動産業に参入した。
70年近い歴史を持っているが、不動産業ではまだまだ若い企業だ。
キリン不動産という屋号には、「不透明でグレーな印象を受ける不動産業界において、小さな子どもからお年寄りまで好かれやすいキャラクターで、明瞭なサービスを提供したい」という同社の思いがこもっている。また、中国の伝説にある麒麟(キリン)は、正直者にしか見えないと言われており、正直に商いする会社であるというメッセージもあるという。
本庄市を中心に上里町・美里町・神川町、の通称本庄児玉郡市を商圏に、賃貸仲介や管理をはじめ、売買など総合的な不動産事業を展開している。
数百戸の賃貸管理を手がける同社の特徴は、戸建ての賃貸物件が多いことだ。戸建てを売ろうにもなかなか買い手がつかず、どうすれば良いのか分からないという相談も多い。施工やリフォームの豊富な知識とノウハウがある同社が物件のプロデュース行うことで、投資物件として物件が生まれ変わるのだ。
また、オーナーが入居募集のプランを選べるようになっていることも強みになっている。通常の募集方法に加え、仲介手数料を無料にするプランや家財保険料と日割り賃料だけで入居できるパッケージプランなども提供している。
本庄市には賃貸物件が約1万戸あるといわれており、平均の入居率は80%弱、つまり10戸に2戸が空室という計算だ。都心から少し離れている本庄市は、決して市場が活発なわけではない。そういったなかで、キリン不動産では90%以上の入居率を保ち続けている。管理戸数も1年10%ペースで増加傾向だ。
そんなキリン不動産が、2013年に不動産事業参入と同時期に導入したのがダンゴネットの「賃貸名人」だった。
キリン不動産・大橋将一部長
今回話を聞いたのは、同社・賃貸部・大橋将一部長だ。
すると、郊外でも高い入居率を維持する、独自の取り組みが見えてきた。
「賃貸名人」で単純作業からの解放。IT活用で新たな付加価値を生む
―キリン不動産が、地元で支持されている理由はなんでしょうか。
当社は、平成25年に不動産業に参入した後発の会社です。本庄市には、古くから地元に根ざしている不動産会社は数多くあります。
つまり、当社が昔からある会社と同じようなことをやっていたら存在する意味がないし、顧客から支持されることもないでしょう。同じサービスを提供するのであればネームバリューのある他社の方が安心です。
そこで我々に何ができるか、それは業界のしがらみに捕らわれないでやり方や手を打っていくこと、つまりネット・ITの活用を強化することでした。
―具体的にどのような方法でネットやITを活用しているのでしょうか。
2015年から不動産に関するあらゆることを動画で撮影し公開しています。
2020年10月時点で、300本以上の動画をYouTubeにアップしています。
地元の不動産屋 キリン不動産 【本庄児玉郡市】※YouTubeチャンネル
賃貸を借りたい人に向けた借りる流れやハウトゥ動画や入居募集している物件を紹介する動画、オーナー向けに設備紹介や賃貸経営に関する動画など、様々な内容です。
ネット活用によって露出を増やすことと、当社が持つ建物への専門的な知識、この2つが合わさることで、他社とは違った提案ややり方を提供できているのだと考えています。
―そういった活動を精力的に行っている不動産会社は少ないですね。キリン不動産が「賃貸名人」を導入したことも、同じような考えがあったのでしょうか。
不動産業界は、慢性的な人員不足な業界です。当社も多分に漏れず人員が不足していました。その一方で、この業界は「なんでも人力でやってしまおう」という目に見えないコストに頓着がない事業者も多い。
「賃貸名人」を導入しようと考えたきっかけは、管理業務における家賃の振り込み作業でした。家賃の振り込みは、重要な業務かもしれませんが、誰にでもできる、なんなら機械に任せることができる作業です。
それをマンパワーでやるとなると、当然とても時間がかかるし、手作業では間違ってしまう可能性もある、とてもじゃないですがやっていられないと感じました。
そこで、賃貸管理ソフトの導入を検討しはじめ、何社か比較したうえで「賃貸名人」を使うことに決めました。
―「賃貸名人」に決めた理由は何だったのですか。
何社も相見積もりを取ったのですが、費用が全く違いました。
「初期費用で200万円」という会社もありました。その点、「賃貸名人」初期費用はその10分の1程度、ランニングコストも安いですね。導入するときのハードルが低かったことが第一に大きな理由でした。
―「リフォーム名人」や「ファームバンキング」も導入されていますね。
「ファームバンキング」は、やりたかったと考えていた家賃振込機能で、とても便利です。
ダンゴネット社の商品は、どれも直感的に操作することができ、難しくありません。簡単で分かりやすいところが良いですね。
【リフォーム名人】
原状回復やリフォームといった工事受付から、見積書・請求書発行の支払いまでこれ1つで完結させる工事関連業務支援ソフト。
・工事の摘要名や単位を入力するだけの簡単見積書作成
・所有者・入居者の費用負担割合の設定
・入金確認
・「賃貸名人」との連動
など、様々な機能を兼ね備えている。
―ダンゴネット社のサポート対応はどうでしょうか。
現在も、2カ月に1度ぐらいサポートに連絡していますが、非常に良いと感じています。
こちらの質問に対する答えや対応が適切で、「賃貸名人」に関する知識に加えて、賃貸管理業に関することも驚くほど詳しいですね。サポート担当の部署内できちんと相談内容や解決方法が共有されていて、きちんとナレッジが溜まっているようですね。
【「賃貸名人」のあんしん保守サポート】
「賃貸名人」の強みの1つに万全のサポート体制がある。
賃貸管理ソフトを導入しても、きちんと業務にそった運用ができていないケースや、使いこなせていないため、余計に労力がかかってしまうケースも少なくない。
「賃貸名人」では、導入後きちんと業務に活用できているのか、使い方や操作方法、会社ごとの細かい設定方法まで、専用のコールセンターや遠隔での機能操作によってバックアップする。
―「賃貸名人」やダンゴネット社に何か要望はありますか。
正直、特にありません。
―キリン不動産として、将来の展望はありますか。
本庄市は私の生まれ育った地元です。「地元が良くなっていけば」というのが、第一の願いですね。
本庄市を住みよい街にするためには、我々が誠実なサービスを提供し、今までの不動産業界に持たれていた悪いイメージを払拭するが重要です。
そのためにも、「賃貸名人」をはじめとしたツールやソフトの活用は大切だと感じています。