世界最大級のオークションサイト「eBay」。
日本ではまだあまり馴染みのないサイトだが、世界190ヵ国以上で利用されている巨大マーケットだ。
「eBay」の実践講座が10月26日オークファン主催で、日本に8人しかいないイーベイジャパン公認コンサルタント・荒井智代講師のもと行われた。その講座の模様を紹介しよう。
2019年10月、品川区にオフィスを構えるオークファンのセミナールームで、「第1回 はじめてのeBay実践講座」が開催された。
20人限定の有料セミナーで、3部構成の第1回目だ。
日本全国から参加者が集まってきており、愛知県や大阪府、最も遠方なところでは佐賀県からの参加もあった。
3部に渡るセミナーの目的は、eBayを使った輸出物販ビジネスを、初歩から実践的に行い、トップセラーを目指すというもの。
参加者全員でパソコンを用いながら、実作業が行われていく。
第1回目の今回は、「eBayスタートアップ実践講座」と副題が付けられているとおり、海外オークションサイトeBayのアカウント登録方法や、リサーチ体験、オンライン決済サービスPayPalの開設などをワーク形式で学ぶ。
老若男女が集まった会場では、決してパソコンやITに明るい参加者だけではない様子だ。どのように講義が進められていくのだろうか。
海外輸出物販ビジネスに注目が集まる理由
講師を務めたイーベイジャパン公認コンサルタント荒井智代氏
【荒井智代氏のプロフィール】 荒井氏は、2013年に14年間審査官として勤めたという特許庁を退職。全くの初心者からeBay輸出をはじめ、僅か7カ月で月収100万円を達成した。 2019年には、日本で8人しか存在しない「イーベイジャパン公認コンサルタント」に就任し、自らも輸出ビジネスを行うかたわら、eBayを始める人の育成やサポートにも力を注いでいる。 |
輸出物販ビジネスは他の物販ビジネスと比べても、市場規模や成長性が圧倒的に異なる。
国内のみで取引されるECの市場は、2020年には20.7兆円と見込まれている。市場は拡大しているが2014年と比べて1.6倍程度の成長率だ。
一方、国の垣根を越えた越境EC市場は2020年の見込みで109.3兆円。強大な市場規模もさることながら、2014年から4.3倍も拡大していることにも、輸出物販ビジネスの強みがある。
そういった越境ECビジネスで世界最大級規模のプラットフォームになっているのが、「eBay」だ。eBayで商品を購入するバイヤーは世界1.7億人、取引高は年間10兆円にのぼる(※)。
※注1=eBayプレスリリースより
また、日本の製品は、世界的に広く求められている。
・日本製品の信頼性や知名度
・アニメやキャラクターの人気
・観光客の増加からくる日本文化に関する興味
・2020年の東京オリンピックの開催
などが要因となり、世界各国で日本の製品に高い需要があるのだ。
高い需要がある一方で、eBayには日本製品の供給が非常に少ない。
それはeBayが英語サイトだからだ。日本のセラーにとっては言語の壁があり、ビジネスに参入できないというネックが大きい。
ライバルが少ない市場だからこそ、チャンスも多い。
実際にどのようにビジネスを始めるのかは記事後半で紹介しよう。
eBayで売れる商品とは?実例紹介
eBayで売れた日本製品の例
eBayに触る前に、荒井氏は自身の生徒が過去にeBayで売れた製品を紹介した。
20年ほど前に日本で売られていたゲーム機だ。日本のオークションサイトにて30,000円で仕入れたものが、倍以上の値段で売却できたという。
先述のとおり、日本ではあまり価値のない商品でも、世界のどこかでは価値のある商品として取り扱われるモノが多数存在してくる。
また、日本では価値が0円でも海外ではいくらかの値が付く商品もある。木彫りのクマやこけし、ウィスキーの空き瓶(日本メーカー)などはその一例だ。家で眠っているいらない商品を海外で高く売るということは、誰にでもできるビジネスチャンスだろう。
リサーチ体験
eBay輸出でどういった商品を売っていけばいいのかを知るには「まず同じ日本人がどういったものを売っているのかを知るのが一番の得策」だと荒井氏は言う。
受講者の質問にも答えつつ、自らの体験談も交えながら全員でリサーチを体験する。
eBayは全てが英語表記。荒井氏が単語1つひとつを丁寧に説明して進行する。実際にeBayを開き、色々と商品のリサーチをしてみるだけでもeBayの仕組みを掴むことができる。
eBay・PayPalのアカウント登録
丁寧にアカウント取得の手解きをする荒井氏
いよいよ実際にeBayにアカウントを登録して、eBay輸出の第一歩を踏み出す。
「ここがeBayを始める際の一番の難関だ」と荒井氏は言う。先述した通りサイトの表記が全て英語なため、挫折してしまう人が多いのだ。
本セミナーでは、分からない人がいれば講義を中断して、一人ひとりの横に付き教えた。誰一人欠けることなくeBayのアカウントを取得することができた。
次にオンライン決済サービスPayPalの開設だ。
PayPalは、アメリカを中心に広く普及しているサービスで、eBay輸出ビジネスでは購入者からの入金を受け取るために活用する。こちらも英語表記になるため、時間をかけながらアカウント取得となった。
最後にeBayとPayPalを連携させて登録作業も終了した。
【テクニック】アカウントを育てるための評価貯め
荒井氏自ら評価貯めをレクチャーする様子
さて、これでいつでもeBay輸出ビジネスが始められる環境になったわけだが、いきなり成功させることは難しいだろう。
日本のECサイト同様eBayもユーザーも、出品者のこれまでの評価を、購入の判断材料にしている。当然アカウントを取得した現段階では、評価はゼロだ。
ここで「評価貯め」というテクニックが紹介された。
eBayは、取引を成立させる度に出品者・購入者双方に評価をつけることができる。そこで、まずは購入者として、eBayで商品を購入することで、自身のアカウントの評価を上げていく方法だ。具体的な方法は割愛させて頂くが、荒井氏が自らその場で商品を買ってレクチャーを行った。
eBay輸出セミナー今後の流れ
今後の流れを説明する荒井氏
4時間に及ぶ第1回「はじめてのeBay実践講座」全てのプログラムが終了した。
2019年11月に開催される第2回に向けて出された宿題は「出品する商品を1つ持ってくる」ということ。第2回は、実際に商品を出品するのだという。それまでに不明な点があってもチャットツールで、聞きたいことをいつでも聞くことができる。
まとめ
実践的な講座できっちりeBay輸出の仕組みについて学んだ20名の受講者。これからeBay輸出で利益を上げていこうと考えているのであれば、11,000円という受講料は決して高くない。
eBay輸出は日本人の供給はまだまだ少ない。早い段階からeBay輸出を始めてみる価値はありそうだ。これからもeBay輸出で利益を出すセラーが増える可能性は十分にある。