不動産会社の業務をソフトウェアに代行させる技術導入が進んでいる。Robotic Process Automation(RPA)=ロボットによる業務自動化と呼ばれ、人工知能や新たに独自のシステムを開発するより低コストで簡単に使える。不動産システムのレックアイ(東京都豊島区)は、RPAソリューションサービスの第一弾として「売買仲介ロボ」を3月から提供する。(リビンマガジン Biz編集部)
「売買仲介ロボ」は、パソコン上で操作する作業を代行する。パソコンにインストールすると、あらかじめプログラムされた作業を画面上で自動的に行う。実体のあるロボットではなくソフトウェアだ。
例えば、新規物件探しや売り止め確認といった作業では、
・物件情報サイトにログイン
・諸条件での検索
・検索結果にある物件情報をエクセル形式でダウンロード
・前日のエクセルと情報のつき合わせ
・データ加工(新規物件、売り止め、価格変更、それぞれを色分け)
・メールで担当者に送信
といった工程を自動化する。
不動産会社が導入しているシステムやサービスなどとも連携し、会議用の資料作成も独自のフォーマットにあわせて作成することができる。
その他にも
・拠点別/個人別成績集計及び歩合給計算
・定期メール一斉配信
・登記事項証明書の自動取得
なども自動化できる。
試験導入に協力した不動産会社では、事務作業時間か約70%削減したという。
導入を検討する企業には、業務内容を調査してから最適な方法を提案する。企業ごとに時間がかかる作業だけを代行させ、新しい業務フローを完成させるまでを一貫してサポートする。
特に利用が多いと予想されるのは、先述した他社受託の新規物件探しや売り止め確認、物件価格の価格変更作業だ。担当者は物件情報サイトにアクセスし、新規物件の有無を確認する。また、売り止めがあれば自社HPのデータを削除し、物件価格に変更があれば情報を更新しなければならない。
また、会議で使う資料作成も時間のかかる作業だ。
自社で使っている管理システムからダウンロードしたデータを会議用に成形する必要がある。
1日2時間をその作業に充てた場合、月で40時間、年間では480時間もの時間をかけていることになる。そういった作業のためにアルバイトを雇っている企業も多い。
鈴木徳之社長(撮影=リビンマガジン Biz編集部)
「今までばらつきがあった属人的な作業手順を標準化していきたい」と鈴木徳之社長は語る。
料金は作業内容やプランによって異なるが、初期費用1万円~、月額1万円~で導入できる。
不動産売買仲介会社向けにサービスを開始し、第2弾は賃貸管理でも提供を開始する予定だ。