大手不動産会社各社の半期決算が発表された。どの会社も好調を維持しているかと思いきや、減収減益の会社が多い。どのような理由があるのだろうか。(リビンマガジン Biz編集部)


(画像=写真AC)

■大手7社のうち、4社が減収減益

不動産会社大手7社の半期決算が発表された。この7社のうち、4社が減収減益だった。その中でも、伸びている会社にはどういった要因があるのだろうか。

前期と比べて大幅な増益となったのが、東急不動産ホールディングスである。その中でもビルや商業施設の開発・運営をする都市事業が好調だ。売上高は1,458億円で前期と比べて82.3%も増えている。増加の要因が投資家向けビルの売却による増益である。内訳をみると、前期が108億円だった売上が、今期654億円と約6倍になっている。また、仲介事業の東急リバブルも好調だ。中古物件を買い取りリフォーム後、売り出す買取再販事業も売上増加の一端を担った。

次に増収だったのが、野村不動産ホールディングスである。増加の要因になったのが、収益不動産開発事業の売却益の増加である。こちらも前期136億円だった売上が今期202億になっており、67.2%も増えている。野村不動産ホールディングスのIRによると、「収益物件の用地取得は難しいですが、収益不動産を売りやすい環境にあると思います」と答えた。

■四半期決算で過去最高を更新した住友不動産

住友不動産は3期連続で増収増益を達成し、四半期決算のすべてで過去最高を更新した。また、期初予定していた通期の業績予想を見直した。特に好調だったのが、中古住宅の流通事業である。中古市場も活性化しており、市場の増加と共に売上も比例して伸びているのではないだろうか。


(画像=写真AC)

■投資・収益不動産が売上げ好調

先述した東急不動産ホールディングスと野村不動産ホールディングスだが、ともに投資・収益不動産が好調だった。この増加にはどういった理由があるのだろうか。日本不動産研究所・不動産エコノミストの吉野薫氏によると、投資家の意欲が上がっていると語る。

「超低金利の影響で、投資家の購入意欲が上がっています。もちろん都心を中心として不動産価格は上がっていますが、物件の値が下がりづらい分、このまま好調が続いていくでしょう」と語る。

 
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