全日本不動産協会が国土交通省に対して手数料に関する要望書を提出した。この要望書には、空き家調査費用に関しての明確な記載と手数料全体の見直しを検討すべきとの内容が明記されていた。(リビンマガジン Biz 編集部)


(画像=写真AC)

■全日本不動産協会が提出した要望書

不動産業界団体の全日本不動産協会が、国土交通省に対して空き家流通に関する要望書を提出した。その要望書には2点記載があった。1つ目は、国土交通大臣が作成したガイドライン「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」に空き家調査に関する項目を追加するものだ。2つ目は、価値の低い物件のみならず報酬全体の見直すという内容だ。

■手数料見直し案の問題点

国交省が、空き家流通促進のために宅地建物取引業者が受け取れる報酬額の見直しを来年1月におこなうと発表した。その内容は、400万円以下の空き家物件を対象に、現地調査費用など特別にかかる費用を取引の手数料に上乗せできるというものだ。ただし、18万円を上限とした規定になるという。しかし、この見直し案には問題点も多くある。400万円以下の成約であれば、どの金額でも受け取れる手数料が一律になってしまう点だ。さらに、ガイドラインでは遠隔地にある物件の調査費用に関して、決められた手数料と別に費用請求が認められている。空き家物件は、おおよそ地方の遠隔地にあることが多い。18万円の上限設定がおこなわれると、ガイドラインと新設される規定がバッティングしてしまう可能性がある。これに関して、国土交通省は「現在、規定とガイドラインを調整している状況でございます」と不明点は多い。


(画像=写真AC)

■手数料自体を上げて流通促進につなげる

空き家物件の現地調査には、残置物の処分など手間のかかる業務が多い。改正案で上限になっている18万円はその労力に見合った金額ではないというのが有識者の意見だ。そのため、手数料自体を上げて流通促進につなげることが全日本不動産協会の狙いだ。

 
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