不動産業界団体の調査で売却したマンションの価格が、購入時よりも高くなった世帯が増加していることがわかった。新築マンションの流通量が減ったため、中古市場に需要が流れた他に、消費者指向の変化も見えると識者は語る。(リビンマガジン Biz編集部)
■中古マンションの売却価格が上昇傾向
調査結果によると、昨年度に比べて、住み替え時の売却差額(※1)がプラスになっている世帯が2.3%増えた。マイナスになっている世帯は5.8%減少した。中古住宅の売却価格が上がっていることが分かった。約3070万円だった平均売却額は、本年度約3454万円になり、約384万円上がった。全体として好調な不動産市場を反映する結果となった。
※1売却差額とは自己所有住宅の売却時の価格から購入時の価格を差し引いた額のこと
調査は一般社団法人不動産流通経営協会(FRK)が行い、「不動産流通に関する消費者動向調査」として発表した。
調査によると、築年数が25年を超えている住宅でもマイナス差額発生の割合が6.5%減少しており。中住宅市場が活性化がみてとれる。住み替え時に、新築住宅にこだわった人の割合も減少傾向も2年前に比べて、7.5%減少した。
(画像=FRKのリリースより)
■中古住宅の価値が見直されている
日本不動産研究所・主任研究員の吉野薫氏は、中古住宅の価値が見直されていると語る。
「ここ数年、中古マンションの取引数が増えています。昨年、中古の取引数が新築の取引数を超えました。もちろん立地や上質なものに限りますが、中古住宅を選ぶ人が増えています。消費者の新築志向が見直されているのではないでしょうか」と話している。