三井不動産は9月27日、同社の米国子会社「Mitsui Fudosan America, Inc.(三井不動産アメリカ)」を通じて、サンフランシスコ市近郊のウォルナットクリーク市で「(仮称)ウォルナットクリーク トランジットヴィレッジ」および、サンフランシスコ市で「(仮称)22テキサス」の賃貸住宅事業に参画したと発表した。
また、サンフランシスコ市ドッグパッチ地区で推進していた賃貸住宅「O&M」は今年8月に全棟入居を開始し、米国西海岸での賃貸住宅事業はシアトルで開発中のウエストエッジタワーを含め計4物件、米国全土での賃貸住宅事業は計7物件になったと併せて発表した。
※プレスリリースより
今回新たに参画した2つの事業は、近隣に公共交通機関が整備され、高い交通利便性を備えた立地になっている。各プロジェクトの共同事業者は豊富な開発実績を持つデベロッパーで、同社がこれまで日本で培った住宅開発のノウハウと共同事業者の現地での事業ノウハウを最大限に発揮して、計画を進めてくという。
まず、「ウォルナットクリーク トランジットヴィレッジ」が位置するウォルナットクリーク市は、市内にサンフランシスコベイエリア有数のショッピングモールがある良好な住宅地になっている。近年サンフランシスコ市内への公営高速鉄道(BART)を利用する通勤者の居住が増加しているエリアだ。
※プレスリリースより
同物件は、「ウォルナットクリーク」駅に隣接しており、交通利便性がとても高い。市内からは車で約25分、BARTでは約35分の距離に位置する。南北2街区の中に各2棟ずつの計4棟を建設。足元には生活利便性の高い店舗を誘致する予定という。
※プレスリリースより
また、プールや入居者用ラウンジなど豊富なアメニティーを備える計画だ。
メインターゲットは、サンフランシスコ市内に勤務する若年単身、あるいは共働き世帯で、コンパクトな住戸プランを中心に提供する予定という。
共同事業者は、住宅・商業施設の豊富な開発実績を有する Blake Griggs Properties。
敷地面積1街区は約1万5300㎡、2街区は1万7000㎡、延床面積は1街区が約5万5100㎡、2街区は約3万9400㎡、賃貸面積は1街区が約2万7400㎡、2街区は約1万9500㎡。総戸数は1街区が計358戸、2街区が計238戸、構造は木造(一部コンクリート造)。階数は、1街区が地下1階付地上4階建て(2棟構成)、2街区が地下2階付地上4階建(2棟構成)、1街区の着工は2018年、竣工は2020年を予定し、2街区については未定となっている。
一方の「(仮称)22 テキサス」は、サンフランシスコ市の商業の中心地のユニオンスクエアパークから約2㎞南のエリアに位置し、感度の高いレストランやカフェが進出するなど近年再開発が進んでいる。
同エリアは、今後さらなる発展が期待できるドッグパッチ地区と、従来から良好な住宅地として知られるポトレロヒル地区の結節点に立地する。
サンフランシスコ市内とシリコンバレーを結ぶ通勤列車カルトレイン「22nd St.」駅徒歩2分、市内の主要交通手段の一つである路面電車(MUNI)「3rd St. & 20th St.」駅徒歩10分と、公共交通機関を利用することが可能だ。
加えて、シリコンバレー方面へ向かう高速280号線の至近に位置し、交通利便性は高い。
※プレスリリースより
同物件は東西の住宅2棟と業務棟の計3棟で構成され、広いルーフデッキやフィットネスジムなど豊富なアメニティーを備える予定になっている。
メインターゲットは、サンフランシスコ市内もしくはシリコンバレーで金融・テック系企業などに勤務する若年単身および共働き世帯や子育てを終えた夫婦など、幅広い層を狙っている。
共同事業者は、オフィス・住宅等の多数の開発実績を有する Align Real Estate。
敷地面積は約1万1200㎡、延床面積は約3万㎡、賃貸面積は約2万3800㎡で、総戸数は263戸。
構造はRC造、階数は、住宅が東棟・地下1階付地上4階建て、西棟が地下1階付地上8階建て、業務棟が地下1階付地上3階建て。竣工は2019年を予定している。
※プレスリリースより
また、今年8月から入居が開始された賃貸住宅「O&M」が位置するドッグパッチ地区は、カリフォルニア大学サンフランシスコ校のキャンパスなどが位置し、急速に開発が進むミッションベイ地区と北側で隣接する。
路面電車(MUNI)「3rd St. & 20th St.」駅徒歩4分、カルトレイン「22nd St.」駅徒歩7分と、両公共交通機関を利用可能で交通利便性が高い。
同物件は、南北の2棟構成で、南側公道を広場状に整備し、各棟屋上にはバーベキュースペースを備えたルーフデッキがある。1階部分にはカフェが入居する予定という。
メインターゲットは、サンフランシスコ市内ないしはシリコンバレーの IT 系、金融、ビジネスサービス企業に勤める20代後半から30代のビジネスパーソン。共同事業者は、住宅等の多数の開発実績を有するBuild。
敷地面積は約2400㎡、延床面積は約9300㎡、賃貸面積は約7100㎡、総戸数は116戸で、構造は木造(一部コンクリート造)。階数は地下1階付地上5階建ての2棟構成。
全体の竣工は2017年12月を予定している。
※プレスリリースより
同社では、当社グループは海外事業を成長分野の一つに位置づけ、アメリカ・イギリスの欧米諸国に加え、中国・台湾・東南アジアなどのアジア諸国で事業を展開しています。アメリカでは、オフィス、賃貸住宅など複数用途の開発事業に取り組んでおり、本年4月に当社グループ初のワシントンDC圏域での賃貸住宅事業「(仮称)4000ノースフェアファックスドライブ」への参画、また今月に発表したニューヨークマンハッタンのオフィスビル「(仮称)50ハドソンヤード」開発事業への参画(本欄2017年9月4日掲載)など、複数都市において事業を拡大しており、今後も更なる事業機会の獲得を目指してまいります、としている。