東京電力グループでマンション向け通信サービスを手掛けるファミリーネット・ジャパン(FNJ)は9月20日、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の運営者に向けた安否確認サービス「スマートウェルネスシステム」の提供を開始すると発表した。
サービスイメージ ※プレスリリースより
同サービスの最初のユーザーとして、今年10月開業予定の千葉県船橋市にある「OUKAS(オウカス)船橋」での採用が決定している。また、野村不動産ウェルネスが今後供給していくシニアレジデンスでの採用を予定しているという。
同サービスは、居室に取り付けた各種センサー情報や水道の使用状況などを解析し、入居者の安否確認と在・不在状態の把握を行うというもの。
「一定時間センサーが入居者の動静を検知しない」などの何らしかの異常が発生した場合、施設運営者の管理画面とスタッフの携帯端末(PHS、スマートフォンなど)へ通知する。
管理画面イメージ ※プレスリリースより
これらのメニューは、アイホン社製のインターホンをはじめ、既導入設備と連携させることで、低コストでのサービス導入を実現できる。また将来にわたり入居者の介護レベルに応じて、温湿度・離床センサーの増設など、見守り範囲をより広範囲で高精度に引き上げていくことも可能という。
サービスメニュー一覧 ※プレスリリースより
今回、同サービスを開発した経緯について、高齢化社会の進行が挙げられる。
特に2025年に団塊世代が後期高齢者となり、一層日本の高齢化が進む。
そうしたなかで、サ高住は安否確認や生活相談サービスを備えた安心な住まいとして社会的に今後ますます重要な役割を担っていくと同社では見込んでいる。
一方、介護業界は慢性的な人手不足という課題を抱えている。
限られたスタッフでサービスを維持していくためには業務の省力化が不可欠となる。
こうした状況を鑑み、同社ではこれまでマンション向けインターネットサービスで培ったICT(情報通信技術)を活かし、サ高住を運営する施設運営者がサービスの質を維持しながら業務負荷の軽減を図れる仕組みを開発した。
今後の展開について、同社では、居室内でのセンシングを用いて高齢者の行動分析を行っている学術機関(奈良先端科学技術大学院大学、芝浦工業大学)と産学連携を図り、ひきつづき提供サービスの拡充に取り組んでいきます、としている。