東急電鉄は9月6日、「生活名所プロジェクト」を開始すると発表した。
※プレスリリースより
これは、五反田駅~蒲田駅間を走る東急池上線の開通90周年を記念したもので、池上線が通る品川区・大田区などの行政機関、地元商店街や沿線住民、企業などと連携し、池上線沿線ならではの人情感や下町情緒などの魅力が詰まった地域資源を「生活名所」候補として15カ所選定する。
また発表同日から、専用WEBサイトや池上線各駅でのポスター掲出により、沿線の魅力を広く周知していくという。
今回プロジェクトの一環として、10月9日の体育の日に、池上線の魅力を伝えるさまざまなイベントを開催する。
京都府立大講師の松田法子さんによる「池上線地形セミナー&ツアー」、池上線沿線のグルメを紹介するツアー、複数の「生活名所」を巡るイベントなどを開催するという。
なかでも目玉となるのが、90周年特別イベント「開通90周年記念イベント 10月9日池上線フリー乗車デー」。池上線全駅で乗り降り自由な「1日フリー乗車券」を配布する。電車を1日無料で利用できるという試みは、首都圏の鉄道会社では初めての取り組みになる。
ちなみに「1日フリー乗車券」の配布は改札付近で行うという。配布は1人につき1枚まで。池上線以外の駅で降車する場合、改札窓口での精算が必要となる。五反田駅で、JR山手線から池上線に乗り換えする際、一旦改札口を出て、「1日フリー乗車券」を受け取る形となる。荒天、運行状況によっては、配布を中止する場合があるという。
※プレスリリースより
池上線は全長約11kmと比較的短い路線だが、地元から愛される商店街や豊かな自然、歴史・名所史跡などが点在している。しかし、東急沿線の中でも高い高齢化率が課題となっている。こうした少子高齢化が進む地域の活性化を図ることも、プロジェクトを始動させた要因になっている。
池上線の魅力について、同社は沿線住民、地域関係者や品川・大田区などからのヒアリングや調査を行い、「人々のつながりや温もりを感じる場所など、生活に根付いたもの」と結論づけた。
この魅力を認知してもらうために、5つのブランドコンセプトを掲げる。
①人の暮らしに根付いているヒューマンスケール
②作り手を感じられることクラフトマンシップ
③つながりをつくっていることコミュニティ
④だれでもウエルカムであることオープンマインド
⑤地域を愛し、地域に愛されていることローカル
この5つに該当するものを「生活名所」として、その魅力を継続的に発信していくという。
今回、15カ所を「生活名所」候補として選定した。その詳細が下記表になる。
※プレスリリースより
今後は、公募などで多くの意見を聞きながら、地元有識者や品川区、大田区など行政関係者とともに協議を行い、増やしていく予定という。
同社では、今後も行政機関や地元の方々と連携して、池上線沿線のさらなる「生活名所」の発掘や周知を行うとともに、沿線の魅力を生かしたさまざまなイベントなどを継続的に実施していくことで、池上線沿線の魅力を高めていきます、としている。