大和ハウス工業は9月1日、米国ワシントン州シアトル近郊のレドモンド市オーバーレイク地区で現在開発中の複合開発「エステラパーク・プロジェクト」で、同社が担当する賃貸住宅(2区画)が8月11日に着工したと発表した。
同社が開発する賃貸住宅(2区画)の外観(予想図) ※プレスリリースより
同プロジェクトは、同社現地法人の「Daiwa House Texas Inc.(ダイワハウス テキサス)」を通じて行われるもので、全米の大手不動産「Lincoln Property Company(リンカーン社)」との共同プロジェクト。
リンカーン社とは2014年に業務提携した。同年5月に共同プロジェクト第1弾としてテキサス州フォートワース市で賃貸住宅事業「バークレープロジェクト(総戸数716戸)」を開始して以来、今回で第5弾となる。
同プロジェクトは敷地面積が東京ドーム約2.5個分の約11万3300㎡という規模で、賃貸住宅以外にオフィスやホテル、公園など10区画で構成される。そのうちの2区画の賃貸住宅(敷地面積約1万8477㎡)を同社が開発する。
建設地はシアトル市中心部より車で約20分、シアトル・タコマ国際空港より約25分という好立地で、隣接しているマイクロソフトのオフィス群のほかに、ニンテンドー・オブ・アメリカや日立データシステムズなどのIT企業が集積する地域となっている。
2023年には、シアトル市中心部から建設地を約30分で結ぶライトレールが開業される予定という。
メインの顧客ターゲットは、安定した賃貸需要が見込める1980年~1995年頃までに生まれたミレニアル世代で、シアトル近郊に住む世帯所得の高い専門職・研究職の従事者や大手企業の従業員などが対象となる。
同プロジェクトのポイントは次の3点になる。
1.総戸数664戸、2区画3棟の多彩な共用施設を持つ賃貸住宅開発事業
2.IT企業の集積するシアトル近郊での開発
3.中・高所得者層のミレニアル世代が顧客ターゲット
なかでも部屋については、間取りが幅広いお客に満足してもらえるように専有面積49.42㎡~111.5㎡のスタジオタイプ(ワンルームタイプ)・1ベッド・2ベッドまでの多彩なタイプをラインアップした。
ほかにも共用部には、暖炉やソファーなどが備えられた入居者専用の歓談スペース「エンターテインメントラウンジ」やカフェスペース、プール、フィットネスセンターなどを設置。併せて、セキュリティ管理された全戸分の自走式駐車場を設け、防犯性を向上させるなどの措置を施している。
物件の構造は木造で、一戸あたりの居住面積は49.42㎡~111.5㎡。総戸数は664戸で、ブロック5&9が448戸(地上6階建て、8階建て)、ブロック6Aが216戸(地上6階建て)で、間取りはスタジオタイプ33戸、1ベッドタイプ485戸、2ベッドタイプ146戸となる。
賃料は日本円で16万~33万円台(1ドル110円換算)。竣工予定はブロック5&9が2020年1月、ブロック6Aが2019年5月をそれぞれ予定している。
同社では、米国の現地法人を通じて、賃貸用不動産購入・開発し、管理戸数を現在の1935戸(今回のプロジェクトは除く)から5000戸へ増加させ、2019年3月期までに747億円の売上を目指します。また、現在展開しているASEAN、オーストラリアでの事業を発展させ、2018年度に海外売上高2500億円の達成を目指します、としている。