大京グループで全国に53万戸の管理受託戸数を持つマンション管理事業の大京アステージは8月29日、日産自動車日本電気(NEC)との間で、「分譲済みマンションにおけるEV(電気自動車)向け充電器設置に関する覚書」を締結したと発表した。

※プレスリリースより

 これは、「今居住するマンションに充電設備を設置することができないため、EVの購入に踏み切れない」という居住者の懸念に対し、「分譲済みマンションへのEV充電器設置の新たなスキーム」を構築するもので、同覚書に基づき同社が管理する首都圏の分譲済みマンションから対象物件を選定し、管理組合の合意が得られたマンションで同スキームを実施し、実効性を検証していくという。

 今回3社が実証するスキームは、新しくEV車「日産リーフ」を購入したお客が居住するマンションの駐車場へ、普通EV充電器を初期費用実質負担ゼロで設置できるようにするというもの。お客は、月々のサービス基本料と電気料金のみで利用可能となる。

 また、マンション管理組合における費用負担も発生せず、さらに、管理規約の改定や理事会、総会の調整は同社がサポートする。NECのEVクラウドと連携した充電システムを設置することで、マンション管理組合は利用者に対して充電時間に応じた課金が可能となり、使用電力量も計測されるため、利用者にも安心して利用してもらえる。

 3社の主な役割として、まず日産はマンション居住者へのEV「日産リーフ」の販売、EV充電器設置支援金の拠出となる。

 日産は、2010年に初代「日産リーフ」を発売して以降、充電インフラ整備にも注力してきた。今回実施するプロジェクトでは、お客やマンションの管理組合に大きな負担をかけずにEV充電器を設置して、利用してもらえる環境を提供する。
 
 次に、NECではEV充電器の設置、運用・保守、EVクラウドによる充電設備の遠隔管理になる。
 NECはこれまで、大規模商業施設を中心にした充電インフラ整備を推進してきた。その過程で培った「多様な条件下の駐車区画にEV充電器を設置するノウハウ」や、「個々のEV充電器の利用状況をクラウドで管理する技術」を活用し、今回実施する「新たなスキーム」の構築・実証に貢献する。また、EV充電器の集中制御機能を活用した電力ピーク時のデマンド連携制御サービスの提供や、将来に向けて再生可能エネルギーと連携した遠隔充電制御も検討する。

 最後に、同社ではマンション管理組合に対するEV充電器設置の提案、管理組合および居住者からの同スキームに関する問い合わせへの対応、管理組合からの委託によるEVユーザーからの充電サービス使用料、電気代従量料金等の徴収およびNEC、電力会社への料金支払いになる。

 同グループは、「環境共生マンションの供給」や「集合住宅における低炭素社会に向けた先駆的な取り組みの実践」など、エコへの取り組みを積極的に進めてきた。すでに2010年4月以降に着工しているライオンズマンションシリーズ(新築分譲)において、各物件の全駐車場区画の10%程度に充電インフラを設置する方針を掲げており、今回の実証実験を通して、分譲済みマンションも含めた充電インフラ設置をさらに加速し、低炭素社会の早期実現に貢献していくとしている。

 また、2016年10月に発表した「大京グループ中期経営計画」において、「居住者向けサービス事業において異業種企業とのアライアンスを積極的に推進し、提供サービスの領域を拡大する」としており、今回実施する「分譲済みマンションへのEV充電器設置の新たなスキーム」もその取り組みの1つとなる。

 同社では、本プロジェクトを実施することで、マンション居住者の懸念に対応し、居住者の一層の満足度向上、および環境・社会への貢献を目指してまいります、としている。

 
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