暗号通貨技術とブロックチェーン技術に基づいたソフトウェアとサービス開発、仮想通貨取引所「Zaif」を運営するテックビューロと、住宅・不動産ポータルサイト「LIFULL HOME’S(ライフル ホームズ)」の企画・運営を手掛けるLIFULLおよび情報サービス事業のCAICA(カイカ)の3社は8月24日、ブロックチェーンを活用した不動産情報共有・利用の実証実験を3社共同で開始すると発表した。
※プレスリリースより
今回の実証実験の目的は、不動産情報流通における情報の一元化に対するブロックチェーン技術の有効性を確認すること。
具体的にはLIFULL運営の「LIFULL HOME’S」などのデータを使って、散在している不動産情報の紐付けをブロックチェーン上で接続・共有する仕組みとその有効性を検証する。
※プレスリリースより
ブロックチェーン技術は同社の「mijin」を採用する。
これは、非改ざん性とユーザー認証・暗号化に優れたプライベート型ブロックチェーン製品。
アプリケーションとの接続性が高く、データ送受信がシンプルに行えるのが特徴で、すでに稼動するシステムからデータを連携する場合でも「mijin」を用いることで、最低限の作業で迅速にブロックチェーンを導入でき、大幅な工数・時間・コストの削減が期待できる。
この「mijin」の「非改ざん性」「ユーザー認証と暗号化によるセキュリティ」「ゼロダウンタイムのピュアP2P勘定台帳ネットワーク」「タイムスタンプと電子署名によるデータの存在証明・公証性」「トレーサビリティ」といった特徴により、「登記簿謄本」「契約書」「公的証明」など大量の台帳や文書およびデータベースが果たしてきた役割を一元的に扱い、大幅に設計・開発・導入のコストや時間を圧縮、業務を効率化できる可能性があるという見込みを立てている。
そもそもブロックチェーン技術とは「次世代データベース」と呼ばれており、仮想通貨を安全に実行するための基礎となる技術のこと。
こうした実証実験の背景として、不動産登記のオープンデータ化や農地台帳、林地台帳、固定資産課税台帳やそれらに関連する住民基本台帳や戸籍などをブロックチェーン上に統合し、不動産に関わる登記・住所・所有者・納税者などの情報の統合と透明化を進めることが昨年来より内閣府規制改革推進会議で議論されていること。
それに加え、空き家問題への対応や既存住宅の流通促進が求められるなか、これまでばらばらに管理されていた情報の一元管理だけでなく、閲覧権限やその所有権の移転など、ブロックチェーン技術を利用することで不動産情報の透明性が高まり、不動産の利活用と市場の活性化を期待しての試みだ。
実証実験における役割として、LIFULLは「LIFULL HOME’S」の物件情報などの提供およびmijinブロックチェーン上での不動産情報共有・利用システムの実装・検証、CAICAは本実証実験におけるコンサルティングおよびmijinブロックチェーンの実装支援、同社はmijinブロックチェーンおよび実証実験環境の提供となる。
今後の展望について、本実証実験において、不動産情報共有・利用におけるブロックチェーン技術の適用が有益との判断が得られた場合、複数の民間事業者間で、共同でブロックチェーン環境を運用する事を念頭に、不動産情報の共有や利活用を推進していきます、としている。