野村不動産は今年7月の取締役会でタイ・の現地デベロッパー「Origin Property社(オリジン社)」と提携し、共同で分譲住宅事業に参画することを決議した。

 

イメージパース   ※プレスリリースより

 同社は8月24日、首都バンコク市内でオリジン社と共同プレス発表会を実施したと発表した。
 同社にとって、タイ・バンコクでの初の分譲住宅事業への参画となる。

左から オリジン社:ピラポンCEO、メイタ ボードオブディレクター 野村不動産:沓掛会長、山本専務

※プレスリリースより

 分譲住宅事業への参画を決定したのは3つのプロジェクトで、総戸数は3プロジェクト合計で2000戸超となる。いずれもバンコク都心に近接するラチャヨーティン地区(チャトゥチャック区)、オンヌット地区(プラカノン区)、ラムカムヘン地区(バンカピ区)に立地し、BTS(高架鉄道)およびMRT(地下鉄)の既存・新設予定の駅から徒歩10分以内と交通の利便性に優れている。

 同社によれば、共同事業者となるオリジン社は2009年に設立、タイ証券取引所の上場デベロッパーだ。
2016年のコンドミニアム販売額はバンコク5位(オリジン社調べ)で、「KNIGHTSBRIDGE(ナイツブリッジ)」「NOTTINGHILL(ノッティングヒル)」「KENSINGTON(ケンジントン)」のブランドで展開している。コンドミニアム事業のほか、管理や仲介などの関連事業や賃貸不動産事業を強化しており、近年大きく成長するなど現地で高い評価を得ているという。

 バンコクの住宅マーケットは、人口増加や中間層の所得上昇などにより、長期的に安定成長を遂げており、今後も旺盛な住宅需要が見込まれるため、これまで同社が日本国内で培ってきた質の高い住宅づくりのノウハウが活かしやすい環境ということもプロジェクトへの参画要因になっている。

 同社が参画を決めたプロジェクトは、次の3つとなる。

 (1)「KNIGHTSBRIDGE PRIME Ratchayothin(ナイツブリッジ プライム ラチャヨーティン)」
 (2)「KNIGHTSBRIDGE PRIME Onnut(ナイツブリッジ プライム オンヌット)」
 (3)「KNIGHTSBRIDGE Collage Ramkhamhaeng(ナイツブリッジ コラージュ ラムカムヘン)」

位置図  ※プレスリリースより

 (1)は、タイ資本の大手企業が多く本社を構え、大学などの教育機関も集まるエリアとして知られる。

 ドンムアン空港も近く、周辺には大型商業施設が複数立地する。また、物件所在地は現在延伸工事中のBTSスクンヴィット線上に新設される予定の最寄り駅「Phaholyothin 24」から徒歩1分の距離。
 建物計画については、2棟構成のタワーコンドミニアムで29階に位置するスカイプールやコワークスペース、スカイキッチンなど、グレードの高い共用部分を設け、居住性能を高める。
 規模はA棟地上35階建、B棟未定で、戸数はA棟334戸(予定)、B棟未定。敷地面積は約7500㎡、延床面積約1万9200㎡(A棟のみ)、専有面積は約9800㎡(A棟のみ)。
 A棟の竣工は2020年6月を予定している。

イメージパース    ※プレスリリースより

 (2)は、BTSスクンヴィット線の終着だったOnnut駅から徒歩8分に位置する。
 同エリアは大型商業施設が複数立地することに加え、規模の大きな商店街も複数あるなど、生活利便性の高さから住宅地として人気のエリア。高速道路の入口も近いため、スワンナブーム・ドンムアン両空港へのアクセスにも優れている。
 建物計画については、47階建てのタワーコンドミニアムで、プールなどのリラックスエリアを38階に配置するなど、都市生活を満喫できる共用部分を用意している。
 規模は地上47階建て、戸数は601戸を予定している。敷地面積は約3800㎡、延床面積は約3万2400㎡、専有面積は約1万7000㎡。
 竣工は2020年9月を予定している。

イメージパース    ※プレスリリースより

 (3)は、ラムカムヘン大学、アサンプション大学や国立競技場が立地するバンカピ区に位置し、周辺は同区の中心エリアで、複数の大型モールや規模の大きなマーケットが集積するバンコク有数の商業地となっている。物件所在地は、計画中であるMRTオレンジライン上の新設予定駅から徒歩2分、同じく計画中であるMRTイエローライン上の新設予定駅から徒歩8分の場所となる。
 規模は地上25階建て、戸数は685戸を予定している。敷地面積は約6400㎡、延床面積は約3万4700㎡、専有面積は約1万8600㎡。
 竣工は2020年9月を予定している。

イメージパース   ※プレスリリースより

 同グループでは海外事業は成長分野の1つとして位置付けており、2025年3月期までに、不動産ニーズが高まるアジア諸国を中心に住宅事業・賃貸事業で約3000億円の投資を計画している。

 
 これまでベトナム・ホーチミンシティ、中国・瀋陽、フィリピン・マニラなどで分譲住宅および商業施設の開発案件に参画している。

 同社では、タイ・バンコクを皮切りに、オリジン社のような成長が期待でき、かつ信頼できる現地パートナーとともに開発事業を推進してまいります。また、今後も成長が続くアジア諸国において、分譲住宅事業やオフィス事業などで当社が国内で培ってきたノウハウをもとに、「未来(あした)につながる街づくり」を実現して参ります、としている。

 
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