住友林業は8月18日、愛媛県新居浜市立別子中学校の寄宿舎工事を着工したと発表した。総工費は2億5000万円、竣工は2018年2月末を予定している。
※プレスリリースより
別子中学校は2016年4月から英語・理数系科目を強化し、少人数教育の独自カリキュラムを導入するなど、「グローバル・ジュニアハイスクール」と銘打ち、世界に羽ばたくリーダーの育成を目指している。
新居浜市では、同校の寄宿舎建築により安心・安全で学習に集中できる環境を整備し、持続可能な地域づくりに繋げることを目指し、自然・歴史・風土を活かす個性的な地域振興を進めている。
そうしたなか、市が実施した「新居浜市立別子中学校寄宿舎整備運営事業」の公募型プロポーザルで同社が選定された。
そもそも公募型プロポーザルとは、公共が資金調達し施設の設計・建設、運営などを民間事業者に包括的に委託するDBO(design-build-operate)方式により実施されるもの。
同事業は設計・施工を同社が、運営・維持管理をホテル・旅館業、保養所・研修所の運営受託事業などを手掛けるエムアンドエムサービスがそれぞれ担当する。
施設は木造軸組工法の2階建てで、敷地面積は736.60㎡、延床面積は724.62㎡。うち1階延床面積351.52㎡、2階延床面積は373.10㎡で、建物には地域産材のヒノキを活用する。
断熱性・保湿性・調湿性に優れた木造建築で、子どもたちが生活する「住まい」として快適な空間を提案する。
※プレスリリースより
玄関ホールには樹齢約100年、新居浜市別子の同社社有林のヒノキを加工した化粧丸太の柱を設置し、別子の魅力、歴史を感じられる空間とする。
玄関ホールに接する1階中央部には食堂、多目的室・談話室を配置し、子ども同士、教職員、家族と子どもたち、地域の方々がコミュニケーションをとりやすい交流の場とする。
多目的室・談話室は、子どもたちにとってリビングの役割を担う場とし、「家族のように過ごす空間」「家族のような関係性を育む空間」である重要な居室として捉え、くつろぎ、安らぎを感じられる場所として設計したという。
1階共用部の床材は愛媛県産のヒノキの無垢フローリングで、食堂は梁を現しとして木質感あふれる空間。時間の経過とともに味わい深い風合いを増す木の魅力を楽しめる室内にする。
2階は子どもたちが生活し、学ぶ場である個室とする。中学生に相応しい1室約10.1㎡(約6.2帖)で18室をセキュリティとプライバシーに配慮して設計している。
同社では、別子中学校寄宿舎の設計・施工を通じて中学校と地域が一体となった協働体制を構築し、地域活性化の一翼を担い継続的な発展に寄与することをめざします。住友林業グループは今後も木の良さや特徴を活かした中大規模建築物の木造化・木質化を提案し、地域社会に貢献してまいります、としている。