大和ハウス工業は7月11日、共働き世帯のために家事の時間的・心理的負担を軽減する戸建住宅「家事シェアハウス」のモデルハウスをマスコミに公開した。
同シェアハウスは、これからの住まい方プロジェクトの第1弾として企画されたもので、今回、東京都新宿区西落合のモデルハウスをマスコミに公開した。
イメージ画像 ※2016年11月28日付プレスリリースより(以下同)
これまで、同社では共働き世帯の増加を背景に、住まい方について検証してきた。
実際、家族の中で家事労働がどのように分担されているかを調査したところ、夫婦間で家事の分担は進んではいるが、女性の家事負担が時間的にも心理的にも解消されていないことが分かったという。
そこで、家事の分担ではなく家事をまるごと家族全員で「シェア」することで負担を軽減するための工夫やアイテムを同シェアハウスに提案という形で盛り込んだ。
具体的なポイントとしては、次の3点になる。
1.女性活躍推進をサポートする戸建住宅提案
2.家事を効率的にする「家事シェア動線」
3.家事を家族事にする「家事シェアアイデア」
1では、国内の共働き世帯数は増加しており、雇用者における女性の比率も年々高まっている一方で、内閣府の資料によれば、6歳未満の子供を持つ夫の家事・育児関連時間の1日当たりの国際比較では1日当たり67分となっており、先進国中最低の水準にとどまっている。
そのような中、同社女性社員を中心としたプロジェクトチームを立ち上げ、社内でアンケート調査を実施。特定の家事を分担するのではなく、家族全員で家事全体を把握し、コミュニケーションをとりながら、全員で家事を共有し、お互いの状況を理解しながら家事を分け合う「家事シェア」の考え方を住まいに取り入れ、間取りの工夫やアイテムを導入した「家事シェアハウス」を全国で展開するというもの。
2では、家事の約80%は出したものを片付ける、汚れたものを洗うといった「マイナスの状態をゼロに戻す作業」と言われており、帰宅してリビングでくつろぐまでに、身の回りのものを所定の位置に片付けられる「家事シェア動線」を提案する。
例えば帰宅したら、郵便物を仕分け、鞄や上着の収納、手洗い、着替えなどを経て、キッチンやリビングへ移動するという一連の動作を、無駄のない動線で実現。効率的に動きながら片付けができるので、家族全員が少ないストレスで家事に関するルールを守れる工夫を施す。
「家事シェア動線」参考例 ※プレスリリースより
3では、家族全員が家事を自分のこととして認識し、積極的に取り組めるための多くのアイデアを提案する。
例えば、家族それぞれの荷物を各自が個別管理できるよう玄関に「自分専用カタヅケロッカー」を設置。靴やスリッパ、毎日使う小物を収納し、郵便物を仕分けして、リビングに余計なものを持ち込まないようにする。
「自分専用カタヅケロッカー」 ※プレスリリースより
また、散らかりがちなリビング・ダイニングにも「自分専用ボックス」を設け、雑誌や美容グッズ、勉強道具など、それぞれのモノを自分のボックスに収納できるようにした。
「自分専用ボックス」 ※プレスリリースより
次に、学校のお知らせ、ダイレクトメールなど、乱雑に貼ってしまうような紙類は、「お便り紙蔵庫(かみぞうこ)」に収納。
「お便り紙蔵庫」 ※プレスリリースより
また、たたんだ洗濯物など、あとで2階の寝室やクローゼットに持っていくものを一時的に置くスペースとして「階段ポケット」を設置。
「階段ポケット」 ※プレスリリースより
さらに浴室前には「ファミリーユーティリティ」を設け、洗濯・干す・たたむ・アイロン掛けまでを一カ所でできるように家事効率を高める。また、帰宅後の部屋着への着替えもできるよう、一時掛けのハンガースペースや家族それぞれの衣類収納も用意。
「ファミリーユーティリティ」 ※プレスリリースより
キッチン横には、かさばる分別ごみ箱やレシピなどを収納できる「キッチン横マルチスペース」を設け、パソコンなどを置いてちょっとした調べものもできるようにする。
「キッチン横マルチスペース」 ※プレスリリースより
ほかに、寝室には、翌日着る洋服のコーディネートをまとめておける「ビューティークローゼット」を提案する。
「ビューティークローゼット」 ※プレスリリースより
なお、同社では7月15日から17日の3日間、全国で「家事シェアハウス」の見学会を開催する。
時間は10時から17時まで、雨天でも開催する。
■「家事シェアハウス」
http://www.daiwahouse.co.jp/jutaku/lifestyle/kajishare/index.html