大和ハウス工業は7月5日、遮音性能を高めた3・4・5階建て重量鉄骨住宅ブランドの新仕様「skye+(スカイエ・プラス)サイレントスタイル」の販売を開始したと発表した。
発売日は7月6日からで、北海道、沖縄県、積雪地、寒冷地を除くエリアで販売する。
※プレスリリースより
今回発売された新仕様は、賃貸・医院・店舗併用対応型の3・4・5階建て重量鉄骨住宅ブランド「skye」に、新たに開発したオリジナル界床構造「SRスラブ55」と、標準搭載の「遮音スタッド界壁」を組み合わせ、賃貸部居住空間の遮音性能を高めた商品としてリリースした。
「skye」は前年度比約180%増と受注棟数が伸びており、販売目標は年間300棟を掲げている。
販売価格は本体工事価格3.3㎡当たり税込101.1万円からとなる。
新仕様の開発背景には、中層住宅市場の需要増と将来性への期待からだ。
国土交通省が発表した平成26年度および平成28年度建築着工統計調査報告によれば、中層住宅(3・4・5階建て)市場の建築着工棟数は、2016(平成28)年度は3万9918棟。これは2014(平成26)年度と比較すると約12%増加しており、特に首都圏や東海地方、近畿地方では、他地域と比較して賃貸併用住宅、店舗併用住宅を含む中層住宅の比率は高く、今後の成長が見込まれるという。
さらに、生活音による近隣トラブル回避といった狙いもある。
国土交通省の「平成25年度マンション総合調査結果」で「生活音」は居住者間のマナーをめぐるトラブルの第2位で、賃貸併用住宅に求められる遮音対策は課題となっている。
それらの背景から、相続税非課税枠の縮小により賃貸住宅の建設需要が堅調ななか、戸建住宅の建設を考える人に土地活用の提案と、入居者からも選ばれる賃貸併用住宅を提案すべく、上下階の床や住戸間の壁の遮音性能を高めた新仕様の販売を開始したという。
特長は、次の2点。
1.上下階の居室間に「LH‐55」「LL‐45」「D-50」の性能を有したオリジナル界床構造「SR(エスアール)スラブ55」を開発(特許出願中)
2.住戸間の壁に「D-50」の性能を有した「遮音スタッド界壁」を標準搭載(特許取得済み)
1について、新仕様では、高密度ALC(軽量気泡コンクリート)パネル、特殊な金属を混ぜ合わせたアスファルトマットの高比重防音マット、衝撃を吸収し振動を抑える効果がある粘弾性梁上防振材などを組み合わせた同社オリジナルの界床構造「SRスラブ55」を新たに開発し、上下階の床の性能の向上を図った。
子どもの飛び跳ね音などの重量床衝撃音遮断性能は、同社比で「LH-65」(Level, Heavy-Weight 重量床衝撃音)から「LH-55」になり、上下階の居室から聞こえる音を約1/2に低減。
あわせて、食器の落下や椅子を引く音などの軽量床衝撃音遮断性能は「LL-45」(Level, Light-Weight軽量床衝撃音)、話し声などの空気音遮断性能は「D-50」という数値に。
この「LH」と「LL」はともに数値が低いほど、衝撃音の聞こえ方は小さくなる。数値が10下がれば、聞こえ方は約半分になる。また「D値」とは、JIS規定で空気音の遮音等級。数値が大きいほど遮音性能が高いことを示す。
※プレスリリースより
2では、住戸間の壁には間隔を空けて配置した2本のスタッド(壁を構成する下地部材)と、厚みの異なる2層の石こうボードで構成した壁の中に吸音材を充填し、音の伝わりを抑えた同社オリジナルの界壁。
建築基準法で求められる遮音性能に比べ、2ランク上の「D-50」の遮音性能を有し、隣の住戸から聞こえる音を約1/2に低減する。
※プレスリリースより
同社では、今後も全国の都市部を中心に、賃貸併用住宅や医院・店舗併用住宅など、フレキシブルな提案を一層強化します、としている。