あなぶきハウジンググループでマンション管理の穴吹ハウジングサービスは6月26日、NECグループでシステム開発を手掛けるNECソリューションイノベータと共同で、「地域の安心安全・住みやすい街づくりの実現に向けて、地域のつながりと活性化を支援するプラットフォーム」の実証実験を開始したと発表した。
実施期間は、2017年7月31日まで。
これは、ICT(情報通信技術)を活用した「オープンイノベーション」による新規事業創出プロジェクトの一環として行われるもの。このオープンイノベーションとは、自社の有する経営資源や技術に頼るだけでなく、社外からの技術やアイデア、サービスを有効に活用し、革新的なマーケットを創造することだ。
両社は2016年11月から新たなニーズを掘り起し、お互いのリソースを掛け合わせることで、新たな価値を生み出すオープンイノベーションに取り組み始めた。両社から選抜したメンバーで事業創発チームを作り、わくわく感をもたらす社会価値の創造を目的として、複数回にわたりワークショップを実施した。その結果、今回の実証実験を進めるに至ったという。
マンションを含む地域の安心安全と住民の生活の向上を目指したつながりを支援するプラットフォームに関するコンセプトの検証を行うため、NECグループの顔認証技術を含むICTを活用した管理システムを使って、香川県高松市のマンション生活学習館「あなぶきPMアカデミー」および、あなぶきグループ所有の賃貸物件に導入し、検証を行う。
実際に行われる実証実験の内容は次の3点となる。
・顔認証技術・AIを活用したマンションおよび周辺地域全体の管理および見守り機能の提供に関する実効性の検証
・利用者それぞれにあわせた地域情報・広告機能の提供に関する実効性の検証
・マンション・地域住民への住環境に関連する新サービス提供のプラットフォームの実効性の検証
物件に設置した防犯カメラが住民に事前登録した顔のデータを基に入退館の制御を行い、住民の年齢や家族構成に応じて必要な情報についてサイネージを通して提示する。また、行政と提携し、地域の不審者情報などの注意喚起や、誰が何時ごろに通過(外出)したかなどが把握できることで、認知症者の徘徊などの情報も共有することを目指す、としている。
NECソリューションイノベータでは、当社の重要な役割である、地域の課題解決と持続的な地域社会づくりへの貢献に向けて、高松市・西日本地域を支える企業である、あなぶきハウジングサービスと新たな社会価値を創造し、サービスとして提供することを目指してまいります、とする。
また同社では、「自社の本業における価値×NECソリューションイノベータの企業価値×社会ニーズの充足」による新価値サービスの創造を目指してまいります、としている。