総合住宅メーカーのミサワホームは6月20日、同社が手がける埼玉県戸田市の戸建住宅分譲地「オナーズヒル戸田 緑テラス」が埼玉県の「平成29年度先導的ヒートアイランド対策住宅街モデル事業」に採択されたと発表した。

 埼玉県では今年4月3日~4月28日までの期間、ヒートアイランド対策を施した先導的な住宅街モデルを整備する事業者を募集した。5月23日には事業者選定委員会が開催され、日本工業大学の成田健一学長を委員長とする計4人の委員らが選定を行い、平成29年度は同社の「オナーズヒル戸田 緑テラス」に決まった。

 今回採択された「オナーズヒル戸田 緑テラス」は、平均敷地面積約30坪の都市型分譲地であることを考慮したヒートアイランド対策として、住宅内外を一体と捉えた提案を盛り込んだ点が委員らに高く評価されたという。

※プレスリリースより

 
 住まいとその周辺の気候を制御して快適な空間を形成する設計手法「微気候デザイン」を採用した同社のスマートシティ「エムスマートシティ熊谷」で得た知見を盛り込み、同社子会社のミサワホーム総合研究所が今回のモデル事業に必要な仕様の検討や効果の予測などを手がけたという。

 特長として、住宅1階の開口部前に日射を遮蔽できるテラスなどの半屋外空間を設ける。その床面および立面に対して蒸発冷却手法を導入することで各戸にクールスポットを形成させる。

 室内では欄間付き建具やフルハイトドアを採用することで通風を促進させ、トップライトとシーリングファンにより室内天井付近に溜まりやすい熱気を排熱し、それにより発生する負圧によってクールスポットで生成した冷気が1階居室に流れるようなプランニングを施す。
 これにより、自然の風を効果的に室内に取り入れてエアコンの稼働時間を減らし、エアコン室外機からの排熱抑制につなげ、ヒートアイランド対策にも貢献する。

 また、全18戸それぞれがクールスポットの形成に取り組むことによる相乗効果が生まれ、街区全体の温度低下も期待できる。

 具体的に、保水性の高い床材や芝生、シンボルツリーに対して散水ミストを使用することで、表面温度の上昇を抑えるとともに樹木の蒸散量の増加を図り、蒸発冷却効果を高める。

※プレスリリースより

 さらに敷地形状や方角に合わせて、保水性のある溶岩ウォールとつる植物とを組み合わせたクーリングアイテムや、今年7月に発売する独自開発のドリップルーバーを採用している。

※プレスリリースより

 また屋内からの排熱や屋内への冷気の取り入れを促す電動トップライト、シーリングファン、欄間付きドア(またはフルハイトドア)を全18戸に導入し、極力3方向開口を確保して各居室の通風・排熱を促進させる。

※プレスリリースより

 そして、街区内の道路は石灰岩を混ぜ合わせることで日射反射率を高めた舗装にする。これにより道路面の日射熱による蓄熱を減らし、路面温度の上昇を抑えることが可能という。

 戸建住宅の概要は、総区画数が18区画(建売10区画、建築条件付宅地8区画)。

 開発面積は2215.30㎡、用途地域は第1種住居地域。
 着工は2017年8月予定で、竣工は2017年12月予定(建売10棟のみ)。
 販売開始は2017年12月を予定している。

 同社では、住宅とその周辺環境を一体ととらえながら、自然の力を利用して1年を通して快適な暮らしを提供できる「微気候デザイン」を積極的に採用することにより、今後も豊かな街づくり、住まいづくりに取り組んでいく考えです、としている。

 
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