大京グループで不動産流通事業を手がける大京穴吹不動産は6月1日から「店舗間IT接客」を導入した。6月16日には、デモンストレーションを報道陣に公開した。

 「店舗間IT接客」は、遠隔地の不動産売買・賃貸の相談について、お客の住まいからの最寄り店舗・営業所からモニターを通じて現地担当者と話すことができるというシステム。

※プレスリリースより

 今年10月からインターネット等を利用し、対面以外の方法で不動産の売買契約および賃貸借契約における重要事項説明を行う「IT重説」が本格運用されるという。
 対応店舗は、同社の全国30都道府県の71店舗(58店、13営業所)で利用可能という。

※プレスリリースより

 これまでお客が遠隔地の不動産売買・賃貸を希望する場合、その相談は直接現地まで出向くか、あるいは現地担当者との電話相談に限られていた。

 今回、同社の全国71店舗のネットワークを活かした「店舗間IT接客」を導入することで、お客が最寄りの店舗・営業所から希望エリアの担当者とモニターを通じて直接相談ができるようになる。
 モニターを介することにはなるが、対面での面談と同様の安心感を持ってもらうことで、より満足度の高いサービスの提供を行うことが狙い。

 想定客は「親の自宅などを遠隔地に所有する地方出身者」「遠隔地に投資物件を所有するまたは投資を検討しているお客」「転勤などの理由で居住地以外に不動産を探したいお客」などを見込む。

 利用ケースとして、相続した実家などが空き家になり売却や管理について地元の担当者に相談したい、投資目的で購入した地方のマンションの売却・賃貸管理または購入したい、転勤先の住宅事情が分からず現地の担当者に相談したい、などを想定している。
 
 実際の利用方法は、「店舗間IT接客」ではIT重説にも対応した「MeetingPlaza」というソフトを使用し、インターネット回線を通じてお客と遠隔で対面接客(テレビ電話)を行う。
 担当スタッフに対し、「店舗間IT接客」の利用希望の旨を伝え、希望日時、来場希望の日時、店舗・営業所、回線を繋げる遠隔地の店舗・営業店に相談物件の内容を伝える。

※プレスリリースより

 こうした新しい試みは、2016年10月に発表した同グループの中期経営計画「Make NEW VALUE 2021 ~不動産ソリューションによる新・価値創造」が大きい。

 同計画では、新たな取り組みテーマとして「研究開発の推進」を挙げており、①遠隔化及び無人化、②機械化、③建物・設備の長寿命化をテーマとする研究開発が進められている。
 今回の「店舗間IT接客」もその取り組みの一環となる。

 今後の展開について、同社は「店舗間IT接客」のサービス内容を拡大・拡充し、仲介の相談だけでなく、店舗でグループ各社が提供するリフォームや新築物件の相談、税理士やファイナンシャルプランナーなどとの相談についても利用できるよう計画しています。さらに、当サービスを活用して将来的に開始される「IT重説」に向けた対応も促進する予定です。お客さま来店価値の向上を図り、将来的には店舗が住宅に関するあらゆる相談窓口の拠点となるよう進めてまいります、としている。

 
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