三井不動産リアルティは6月1日、NTT西日本、テルウェル東日本の2社と共同でICT(情報通信技術)を活用した次世代型駐車場を初めて広島県内に開設すると発表した。
その第1弾として大画面ディスプレイによる情報配信機能を備え、進化した次世代型駐車場を広島市南区の「三井のリパーク」猿猴橋町第3駐車場内に6月1日開設した。
6月以降は各種ICTサービス、災害支援機能を搭載し、ラッピングデザインが施された「高機能自動販売機」を設置した駐車場を広島県内の10拠点で展開する。
これらは既存の駐車場「三井のリパーク」内に自治体と連携した大画面ディスプレイによる地域情報発信(デジタルサイネージ)、自治体と共同で整備を進めているフリーWi-Fiのアクセスポイント、災害対策用品の備蓄機能を備えた次世代型駐車場としてつくる。
各社の役割として、まず同社は、自社で展開する駐車場の土地および設備などの提供、「次世代型駐車場」の導入サービスの検討・効果検証、地域の特色をモチーフにしたラッピングデザイン自動販売機の提供を行う。
NTT西日本では、駐車場へのネットワーク回線の提供、自治体との連携に向けた提案などの諸対応、ICTソリューションの構築・運用実績ノウハウを活かしたサービス検討を行う。
テルウェル東日本では、ICTサービスを組み込んだ「高機能自動販売機」の開発、設置、自動販売機貯蔵飲料や防災対策用品といった災害支援サービスの提供などを行う。
2016年5月にNTT西日本、テルウェル東日本の2社と協業契約を締結して以来、「安心安全」「先進性」「環境配慮」「災害支援」の4つのキーワードを軸に駐車場づくりを進めてきた。
同社の駐車場に、NTTグループが提供するICTサービスを備えた「高機能自動販売機」を設置した次世代型駐車場を、これまで全国4拠点に展開している。
今回の次世代型駐車場の主な特長は、次の4点になる。
(1)「三井のリパーク」として初の自治体連携による情報配信
広島駅やマツダスタジアムに近い立地を活かし、NTTグループが提供するサイネージ機能により、駐車場に設置する60インチの大型ディスプレイで、自治体の提供による観光情報などの配信を行う。これにより、観光などを目的に訪れる方々に向けた情報発信ステーションとしての役割を担う。
※プレスリリースより
(2)フリ-Wi-Fi及び多言語翻訳機能の面的展開
NTT西日本と広島市、広島広域都市圏内の市町などが共同で整備している無料公衆無線LANサービス「Hiroshima Free Wi-Fi Lite」および、NTTグループが提供している多言語翻訳機能(QR Translator)を今回展開する11拠点すべてに整備する。
(3)地域の特色をデザインした自動販売機の設置
「三井のリパーク」が広島県内で展開する駐車場のうち11拠点に、地域の特色をモチーフとしたラッピングデザイン自動販売機を設置することで地域活性化に貢献し、地域に親しみを持たれる駐車場を目指す。
広島市(原爆ドーム・平和記念公園) ※プレスリリースより
(4)駐車場スペースを活用した災害支援 - 停電時の飲料無償提供
地域の避難スポットとして、停電時には自動販売機に内蔵されたワイヤー操作により貯蔵飲料が無償で提供できる。また、一部拠点ではダストボックス上部の空きスペースに非常食や簡易トイレ、レスキューシートなどの災害対策用品を備蓄する。
今後の展開として、同社では、全国1万拠点以上ある「三井のリパーク」駐車場の中から自治体とも連携し積極的に展開を検討していきます。さらに、3社が有するノウハウを活かした新たなICTソリューションの形として、シェアリングサービス(カーシェアリングや駐車場シェアリング)など、「次世代型駐車場」の一層の付加価値向上に取り組みます、としている。