旭化成不動産レジデンスは5月30日、日本初の民間分譲マンションとされる新宿区の「四谷コーポラス」の建替えプロジェクトに事業協力者として参画すると発表した。
日本初の民間分譲マンションとされる「四谷コーポラス」(昭和31年竣工)※プレスリリースより
今年3月に同マンションの管理組合で建替え決議が成立、5月には全員が合意し、9月に解体工事に着手する。
建替え事業手法は等価交換方式を採用。2019年の再建マンションの完成を目指す。
敷地南の庭からの外観 ※プレスリリースより
「四谷コーポラス」は、1956年竣工の築61年を迎える集合住宅で、鉄筋コンクリート5階建て28戸のマンション。
当時では珍しかった1つの住戸が上・下階に渡って配置される「メゾネットタイプ」の間取りで、1階から入って1・2階を使う住戸や、4階から入って3・4階を使う住戸などがあり、結果として2階・3階には玄関が無いという特徴があった。
それにより間口が狭く南北に長い敷地でありながら、共有部をコンパクトにし住戸内に豊かな空間を創出するなどの工夫がされている。
共有部廊下 ※プレスリリースより
従前従後では敷地面積は変わらないものの、延床面積が2290㎡から2767㎡(予定)と若干増える。
また、住戸数は現在28戸(区分所有者25名)だが、従後は51戸、うち販売戸数は28戸を予定している。
管理人室 ※プレスリリースより
マンション管理組合による建替え・大規模修繕などの検討会は2006年からスタートした。
その後、東日本大震災をきっかけに耐震性能への不安が顕著となり、建物の高経年化に伴う給排水管の老朽化などの理由から建替えを中心に検討することとなり、このほど決議が成立した。
今回の建替えの特徴は、敷地規模の限られた小規模マンションの建替えであり、床面積が大きく増えるというわけではないにも関わらず、至便な立地の暮らし勝手の良さや住まいへの愛着から、区分所有者の大半が再建後のマンションを再取得することを前提に計画されることだ。
同社では、再建後の分譲マンションは、それぞれの家族の想いや要望に応えるオーダーメイド設計を採用し、これからも長く住み続けたいと思っていただける住まいを計画していく予定です、としている。