東急不動産ホールディングス(以下、東急不動産HD)と本田技研工業(以下、Honda)は18日、高齢化社会対応型スマートコミュニティの実現を目指す実証実験を今夏に開始すると発表した。

東急不動産などが手がけた千葉県大網白里市と東金市にまたがる郊外型住宅団地「季美森(きみもり)」で実施。実証実験を推進するにあたり、住民コミュニティと共同実証実験拠点「季美森共創LAB(仮称)」を開設する。

実証実験は今夏から3年間をめどに行う。

現在、日本では少子高齢化が進み、人口減少や空き家などさまざまな社会課題への対応が求められている。特に、高度成長期以降に全国で開発・分譲された郊外型住宅団地では課題が顕著だ。

そこで、Hondaと共同で住民コミュニティと連携し、高齢化社会対応型スマートコミュニティの実現に向けて、実証実験を行う。

実証実験の第一段階として、高齢者や主婦を中心とする住民を対象に、電気自動車や燃料電池自動車などの「Honda次世代電動パーソナルモビリティ」による団地内走行やカーシェアリングを実施するなど、次世代移動支援に取り組むことで、その有効性や利便性を検証する。

Hondaは2010年から二輪車、四輪車、汎用製品の電動化技術や情報通信技術、太陽光電池によるエネルギー供給設備を用いて、将来の低炭素社会やモビリティのあり方を実証する実験を行ってきた。

例えば、熊本市の特別養護老人ホームでは電動カート「EV-monpal(モンパル)」を施設利用者に活用してもらい、移動距離を広げ生活の質の向上につなげるといった試みを展開してきている。

今回の実証実験では、これらに併せて、家庭のエネルギーを効率的にコントロールすることで、暮らしの中でのCO2排出量を低減させ、停電や災害時には家庭単位でエネルギーの自立を可能にするHondaのスマートホームシステム「HSHS」などの「Hondaエネルギーマネジメント技術」を駆使することで、持続可能なコミュニティ作りを目指す。

さらに、ロボティクス技術である「Honda歩行アシスト」を活用した住民生活・健康支援も順次行う予定という。

各テーマについて住民コミュニティや大学、研究機関、民間企業、自治体等を含んだ地域社会と連携し、オープンイノベーションによる課題研究や実証実験を進めていく。

将来的に、この実証実験による成果や実例をモデル化し、他既存郊外住宅団地への展開も検討していく。

同HDでは「実証実験を通じ、高齢化に伴うさまざまな社会課題に対応するソリューションを提供することで、『人々自由な移動喜び』と『豊かで持続可能なコミュニティ』実現を目指してまいります」としている。

 
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