※プレスリリースより
不動産大手のヒューリックは竹中工務店、古瀬組などと連携し、京都市が実施した「元立誠小学校跡地活用」の公募型プロポーザルで3月31日、契約候補事業者として選定された。
その小学校跡地活用に係る基本協定書の締結式が15日、京都市役所本庁舎で行われた。
「文化が集まり、出会いが生まれ、多様なにぎわいが地域に広がる複合施設」をコンセプトに据え、文化事業スペース(立誠ホール)、図書館、屋外オープンスペース(立誠ガーデン)、宿泊施設(約200室)、商業施設(京文化しん発見プラザ、立誠テラス)、自治会活動スペース(立誠コミュニティスクエア)などを建てる予定。
建物概要は、敷地面積が約4933㎡、延床面積は約1万5000㎡。
構造は鉄骨造で一部鉄筋コンクリート造、階数は地下1階、地上8階。
開業は2020年度を予定している。
そもそも同事業は、2012年7月に京都市が学校跡地の有効活用に向け、民間などの事業者から長期にわたり学校跡地を全面的に活用する事業の提案を広く募集した。
元立誠小学校跡地については「文化的拠点を柱に、にぎわいとコミュニティの再生」を目指し、跡地を民間事業者が定期借地し、自治会活動スペース、屋外オープンスペース、文化事業スペースなどの市指定施設を含む民間提案施設を建設・運営するという、いわゆる「PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)事業」として募集がかけられた。
計画地となる元小学校は、河原町通や三条通をはじめ、通りごとに様々な表情を持つ京都を代表する繁華街に位置し、高瀬川や桜並木などの自然に恵まれ、周辺には幕末維新の舞台となった池田屋跡や日本を代表する史跡が数多く残る。
同社は、高瀬川からの景観に配慮し、貴重な近代建築である既存校舎と調和したデザインの建物を「文化が集まり、出会いが生まれ、多様なにぎわいが地域に広がる複合施設」として整備し、1階は自治会活動スペースや文化事業スペース、商業施設とし、上層階は同社グループが展開する「(仮称)ザ・ゲートホテル立誠京都」を運営すると提案した。
そうした提案が評価され、実を結んだ。
選定理由について、京都市は次のように評している。
「『元立誠小学校跡地活用に係る契約候補事業者選定のための募集要項』に基づく選定委員会での審査を踏まえ,ヒューリック株式会社が契約候補事業者として最も相応しいと判断したため」
同社はPPP手法を用いた開発を成長戦略の一つとして位置づけている。
今年3月30日にも奈良県の「高畑町裁判所跡地保存管理・活用事業」の優先交渉権者に選定されている。
今回の京都市の件で6件目の選定となった。
同社では「今後とも引き続きPPP事業への参入を積極的に展開していきます」としている。