三菱地所グループは11日、2020年3月期を最終年とするグループ3カ年の中期経営計画(2018~2020)を策定したと発表した。
同計画によれば、営業利益は2020年3月期に2200億円、営業利益を総資産(資本)で除した総資産利益率(ROA)は
3.5%程度を目標とするとした。
投資額から回収分を差し引いた3カ年のネット投資額は、ビル事業で3000億円、生活産業不動産事業で1500億円、
住宅事業で1000億円、海外事業で2500億円など、総額では9000億円を見込んでいる。
同計画では、下記2点をポイントとして掲げている。
1.「前中期経営計画期間(2015~2017)までの収益基盤強化の成果を利益として具現化」
2.「環境変化の加速をチャンスととらえ、2020年代の更なる成長にむけたビジネスモデル革新を推進」
1では、収益基盤の強化として「丸の内エリアを中心とする大型プロジェクトの竣工・稼働寄与」を挙げている。
現在、同エリアでは、「大手町フィナンシャルシティ グランキューブ(ビル事業)」「大手町パークビルディング(ビル事業)」
「ザ・パークハウス 西新宿タワー60(住宅事業)」「ホークスタウンモール跡地複合再開発計画(生活産業不動産事業)」
「(仮称)丸の内3-2計画(ビル事業)」がプロジェクトとして挙がっている。
これらのプロジェクト遂行のために同グループの開発・運営ノウハウ、ブランド力を最大限に発揮し、
確実な収益を獲得していくとしている。
さらに「海外事業の拡大・進化」を図るとしている。
これは米国マンハッタン所在の旗艦オフィスビル「1271 Avenue of the Americas」の大規模改修プロジェクトの推進、
グローバル投資マネジメントプラットフォームを活用したハイブリッド・モデル投資の展開、新興国において優良パートナーとの
協業のもと、
ノウハウを活かせる開発事業の積極拡大することで、利益成長を実現していくとする。
そして、「『回転型投資』のバリューチェーン活性化」を図るとしている。
2では「ビジネス活動の生産性の向上」「社会ストックの有効活用」「くらしの豊かさの高まり(に応える)」を
それぞれ図っていくとしている。
各セグメント及びコーポレートの戦略は下記の通り。
<ビル事業>
(1)開発中プロジェクトの順次稼働による賃貸利益伸長
(2)丸の内の強化~「OPEN INNOVATION FIELD」化の推進
(3)持続的成長に向けた豊富な長期的開発パイプライン
<生活産業不動産事業>
(1)商業施設・ホテルの新規開発・リニューアル・増床を推進
(2)物流施設事業のプラットフォーム強化
<住宅事業>
(1)国内分譲事業の着実な推進
(2)海外事業の拡大・本格利益寄与開始
(3)フィービジネス領域の進化
<海外事業>
(1)旗艦ビル大規模改修プロジェクトの推進
(2)グローバルプラットフォームを活用したハイブリッド・モデル投資の展開
(3)新興国においてノウハウを活かせる開発事業を積極拡大
<投資マネジメント事業>
日・米・欧・アジアにプラットフォームを広げ、クロスボーダーな投資ニーズの拡大を背景とした持続的な成長を図る
<ホテル事業>
増加し続ける宿泊ニーズをとらえ「ロイヤルパークホテル」ブランドの運営事業として軒数を拡大
<設計監理事業>
大規模設計監理業務の継続受注と、コンサル・CMなどの成長分野や海外事業の強化及び三菱地所グループ技術支援の推進
<不動産サービス事業>
幅広いサービスメニューと全国に広がる支店網、三菱地所グループの総合力を活用し、
法人仲介・不動産コンサルティングのトップ企業を目指す
<コーポレート>
わが国におけるESGの先進企業としての地位を確立し、ステークホルダーとの共生と長期的な企業価値向上を目指す
<ソリューション営業>
グループの全社総合営業窓口として顧客企業のニーズに対応した企画提案や中長期的開発案件、
事業連携等の事業機会創出を図る