積水ハウスは27日、ブロックチェーン技術を利用した不動産情報管理システムの構築を開始すると発表した。
ビットコイン(仮想通貨)取引所国内最大手でブロックチェーン技術を有するbitFlyerとの共同事業で、
bitFlyerが開発した次世代ブロックチェーン「miyabi」および、そのスマートコントラクト
(プログラム化して自動的に実行できる契約のこと)の仕組みによって日本で初となる不動産情報管理システムの構築を開始する。
経済産業省「ブロックチェーン技術を利用したサービスに関する国内外動向調査 報告書」(2016年4月28日、1頁、図1)
※プレスリリースより
ブロックチェーン技術とは「次世代データベース」と呼ばれており、ビットコインなどの仮想通貨を安全に実行するための基礎となる技術のこと。
従来のRDBMS(Relational DataBase Management System 関係データベース管理システム)で
構成される中央管理型データベースと比べ、以下のような特長がある。
1. 構造的にデータが改ざんできない
2. システムのダウンタイムがほぼゼロ
3. 安価にシステム構築ができる
「フィンテック」(金融を意味する「ファイナンス(Finance)」と、
技術を意味する「テクノロジー(Technology)」を組み合わせた造語で、金融とITを掛けあわせた領域)の領域だけでなく、
幅広い分野での応用によりIoT(Internet of Things、モノのインターネット)革命をもたらすと期待が寄せられているという。
「ブロックチェーン技術を活用した業務運用では日本初」となる。
同社としては2017年度内を目安に、賃貸住宅における入居契約などの情報管理システムをブロックチェーン上で構築し、
運用を開始していく、という。
また東京都と神奈川県を主な営業地域とする積和不動産で運用を開始するという。
「ブロックチェーン上で賃貸サービスを提供、他業種コンソーシアムとの融合」も視野に入れている。
同社は2020年を目途に、積水ハウスグループにおける賃貸住宅のサービス提供をブロックチェーン上で行うことを目指す。
賃貸住宅の市場供給(賃貸住宅オーナーおよび積水ハウス)、賃貸住宅の物件管理(積和不動産)、
賃貸住宅の募集・案内(提携不動産業者)、賃貸住宅の入居顧客(入居者)管理などの事業を、
ブロックチェーン技術をプラットフォームとしたIoTアプリケーションでつなげる。
それにより、入居希望者の物件見学から入居申込み、入居契約、入居に至る一連の流れを創出し、
利便性と満足度の向上を図る、としている。
将来的には、今後期待されている他業種分野のブロックチェーン技術を活用したコンソーシアム
(保険・銀行・不動産登記・マイナンバーなど)との融合を図ることを目指している。
さらに、同社は「日本の不動産業界の標準プラットフォーム構築を目指す」という。
ブロックチェーン技術は、情報管理フォーマットが共通化し易いことが特性の1つといえる。
賃貸管理を行う不動産関連企業や自主管理の事業主が同社のプラットフォームへの相乗りが技術的に容易となる。
そこで「ブロックチェーン技術を活用した不動産情報管理システムが、
将来的には日本の不動産業界のネットワークを繋げる標準プラット フォームとなり、
確立した不動産業界コンソーシアムとなるよう、住宅業界のリーディングカンパニーとして推進して参ります」という。