住宅評価ロゴ  ※プレスリリースより

 不動産情報サイト「LIFULL HOME‘S」などの住生活情報サービスを提供するLIFULL(ライフル)は今春から「LIFULL HOME’S 住宅評価」の提供を開始すると発表した。

 

 「LIFULL HOME‘S 住宅評価」は、日本の住宅市場で2割程度に留まる既存住宅流通量を活性化させるサービス。
消費者の既存(中古)住宅購入にまつわる不安を解消し、既存住宅における「建物価値の検査・評価・見える化」までを1つのパッケージとして提供する。

 まず「建物価値の検査」では、既存住宅の建物検査(インスペクション)と設備保証、シロアリ検査の3サービスを展開する。同社とパートナー会社との一括契約により、業界最安価格帯でサービスを提供する。

 次に「建物価値の評価」では、不動産流通推進センターの価格査定マニュアルに基づいた適切な評価を促進する。この査定結果をもとに、提携保証会社が建物価値を含めた担保評価を実施。

 さらに、大手金融機関と上記担保評価をもとにした住宅ローンを現在開発している最中で、今年度中に提供する予定という。提携先として公益財団法人不動産流通推進センター、全国保証株式会社などが挙げられている。

 そして「建物価値の見える化」では、建物価値の検査・評価内容を今夏ごろから「LIFULL HOME‘S」において情報を公開していくという。

 住宅ごとの検査・評価内容が一目で分かるようにし、消費者の既存住宅購入における不安解消につなげるとする。

 同サービス提供の背景には、全住宅流通量に占める既存住宅流通シェアの低さが挙げられる。

 2016年10月、国土交通省の「住生活月間基調講演資料」によれば、日本は戦後の復興期から高度経済成長期にかけて形成された新築至上主義がいまだ根強く、欧米先進国での流通シェアは60~80%程度が既存住宅であるのに対し、日本は14.7%と低水準にある。

 消費者意識においても、住宅購入検討者を対象に実施した同社の調査では、新築物件の購入希望者が60%以上であったのに対し、
既存住宅希望者は15%程度に留まる結果となっており(2017年3月、サンプル数:1,838人/単一回答)、既存住宅を希望しない理由としては「既存住宅は設備が古いと思うから」が約60%、「既存住宅は欠陥が多そうだから」が約40%と品質に関する不安の声が多くなっている(2017年3月、サンプル数:1,567人/複数回答)。

 また、日本の戸建住宅の評価額は、設備や仕様、物件のメンテナンス状況に関わらず経年でほぼ一律に減少、木造戸建ては約20年で資産価値がゼロと判断されるのが一般的だ。

 建物検査・評価を実施しない場合の既存住宅価格は、物件を売買する不動産事業者が立地や築年数などで独自に売り出し価格を算出するため、適切な価格ではないケースが少なくない。

 このような現状に対し、国土交通省でも既存住宅・リフォーム市場の活性化に向けた政策目標を掲げ、各種の取り組みを行っており、2018年4月施行の改正宅建業法では不動産事業者が、媒介契約時、重要事項説明時、売買契約成立時に、売主や買主に対してインスペクションの説明を行うことが義務化されることになった。

 この改正宅建業法施行に先駆け、同社では「LIFULL HOME‘S 住宅評価」を今春より提供開始。
 同サービスの提供により、既存住宅の売主には、より早く正当な価格で売れる可能性と、売却価格への納得感・安心感を与え、買主には、物件探しの効率化とともに購入価格への納得感・安心感を提供する。

 また、現状建物調査に対応可能な不動産仲介事業者は少数であることから、同サービスの利用により不動産事業者は消費者からの信頼感・安心感を獲得し、他事業者との差別化を図ることが可能。

 既存住宅流通に対する三者それぞれの不安や不透明さを解消し、日本の既存住宅流通の活性化を促進していきたいとしている。

 
  • line
  • facebook
  • twitter
  • line
  • facebook
  • twitter

本サイトに掲載されているコンテンツ (記事・広告・デザイン等)に関する著作権は当社に帰属しており、他のホームページ・ブログ等に無断で転載・転用することを禁止します。引用する場合は、リンクを貼る等して当サイトからの引用であることを明らかにしてください。なお、当サイトへのリンクを貼ることは自由です。ご連絡の必要もありません。

このコラムニストのコラム

このコラムニストのコラム一覧へ