分電盤大手の日東工業は10日、
震度5強以上の地震が感知できる電力機器「感震リレー」とブレーカーが一体化した
「感震機能付ブレーカー」を開発、8月から発売すると発表した。
家庭用ホーム分電盤および産業用分電盤にも取付け可能。
住宅以外の工場、飲食店などにも使用範囲が広がっており、「感震ブレーカー」の普及促進を図る。
同社では、年間の販売目標を1万台を予定しているという。
この「感震ブレーカー」とは、一定以上の震度の地震が発生した時に、
自動的に電気の供給を遮断し、電気が原因による火災を防ぐ機器全般のことを指す。
今回、開発された感震ブレーカーの動作機能として、震度5強相当以上の地震を機械が感知すると、
設定時間中電源ランプの点滅およびブザーが鳴動する。
その鳴動後に、ブレーカーを自動的に切るというもの。
さらに地震波感知から自動遮断するまでの間に停電が発生した場合、
復電時にブレーカーを自動的に断つ。
そして、停電後8秒以内に地震波を感知すると、復電時にブレーカーを自動遮断する仕組みになっている。
2011年に起こった東日本大震災時の火災原因の6割強が電気関係の出火だと言われている。
大地震発生後の電気復旧時に、破損した電源コードなどに再び電気が通ることが原因で火災が起こる
「復電(通電)火災」を防ぐ有効手段として、近年「感震ブレーカー」が注目されているという。
この電気火災発生を防止するために、内閣府の「首都圏直下地震対策検討ワーキンググループ」では、
木造住宅密集市街地での普及率を25%以上に引き上げる目標を提言している。
こうした経緯もあり、「感震ブレーカー」の設置に関する補助金を出す自治体が、
徐々にではあるが現在増えはじめているという。
新設用の感震機能付ホーム分電盤の価格は、4万2000円(分岐10回路機種)から。
増設用の感震機能付ブレーカーユニットの価格は、3万1000円(30A)からとなる。