不動産仲介の営業接客支援サービスを提供するFacilo(ファシロ:東京都港区)は、「不動産売却の課題と顧客体験に関する調査」の結果を公開した。この調査は、仲介会社を利用した不動産売却経験者1,002人を対象に実施されたもので、売却プロセスにおける課題と顧客体験の要因を検証したものだ。

調査によると、不動産売却経験者の約7割が「売却途中で取りやめよう」と考えた経験があることが明らかになった。その主な理由として「市場動向や競合物件に関する情報がわからなかった」(17.2%)が最多で、次いで「提示された価格の根拠が分からず正当価格が判断できなかった」(15.9%)、「仲介会社の主張する販売計画に納得がいかなかった」(15.6%)などが挙げられた。

画像=プレスリリースより

また、仲介会社選定の決め手となった要素としては「買主の検討状況や販売活動の積極的な情報共有」(32.9%)、「市場動向や競合物件情報の細やかな提供」(26.5%)、「販売活動状況のタイムリーかつ分かりやすい共有」(22.2%)が上位を占めた。

画像=プレスリリースより

媒介契約後のプロセスにおいては、「営業担当や店舗による販売活動が何がどの程度行われているか不透明」(23.2%)、「物件への買主からの問い合わせ件数などのデータがリアルタイムにわからない」(21.5%)といった点がストレス要因として挙げられた。これらの透明性の欠如が売主の不安感を高める結果となっている。

画像=プレスリリースより

特に市場動向や販売活動の透明性を高めるためのデジタル技術活用が、売主の納得感向上と仲介会社の差別化に寄与する可能性が示唆されている。調査では、約6割の売主が「デジタル化の取り組みが仲介会社選びの決め手になった」と回答。情報共有の方法としては「専用マイページでの閲覧」が最も支持され、電話やメールよりも情報の一元管理・閲覧機能が評価される傾向が見られた。

画像=プレスリリースより

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今回の調査結果から、不動産売却における情報不足が売主の不安を増大させ、取引中断の検討につながっていることが示された。

同調査は2025年2月1日~6日に実施され、インターネット調査を通じて行われた。

 

 
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