LIFULL(東京都千代田区)が運営する「LIFULL HOME’S」は、⼀都三県におけるシングル向け賃貸物件の問合せ数が前年度から増えた駅を調査した「⼈気の上がった駅ランキング(シングル編)」を発表した。

画像=プレスリリース

エリア別に見ると、東京都では「神⾕町」が前年度⽐190.1%増で1位となった。周辺にはオフィス街や⼤型商業施設が⽴ち並び、利便性の⾼さが⽀持されたという。2位は「鮫洲」、3位は「⻲⼾⽔神」と、いずれも主要駅へのアクセスが良好ながら家賃相場が⽐較的安い点が評価された。10位には「中央⼤学・明星⼤学」がランクインした。昨年5⽉の新型コロナウイルス感染症の5類への移⾏により、リモート授業から通学に切り替わった学⽣の需要増が背景にあるとみられる。

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神奈川県では、横浜駅から2駅(2分)の「京急東神奈川(旧︓仲⽊⼾)」が前年度⽐225.0%増で1位だった。⼀都三県で唯⼀200%を超えた。隣接するJR「東神奈川」駅も含めて、複数路線を利⽤できる利便性の⾼さが支持されている。2位は「武蔵溝ノ⼝」で、東京⽅⾯と神奈川⽅⾯双⽅へのアクセスの良さが評価された。京急⼤師線からは7駅中4駅がランクインするなど、同線の沿線の⼈気が⾼まっていることがわかる。

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千葉県では、1位の「市川真間(いちかわまま)」が前年度⽐183.1%増と⼤きく問合せ件数を伸ばした。徒歩圏内にあるJR総武本線の快速停⾞駅「市川」から都⼼へのアクセスが良好な⼀⽅、閑静な住宅街が広がり、治安の良さも知られている。千葉県の⼤型ターミナル駅「千葉」や「京成千葉」へアクセスしやすい駅が上位を占める結果となった。

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埼⽟県では、朝霞台に隣接し、東京・川越双⽅へのアクセスに優れる「北朝霞」が1位となった。ランクイン駅の多くは、⼤宮、所沢、川越など、埼⽟県内の主要駅の近隣に位置している。5位には⼤東⽂化⼤学の最寄り駅である「⾼坂」がランクインしており、こちらもコロナ禍からの通学再開の影響とみられる。

同調査によると、2023年度は住居費を抑制しようとする需要と都⼼回帰の2つの⼤きな動きが⾒られたという。物価上昇や実質賃⾦の下落を背景に、準郊外の駅や拠点駅の近隣の駅など、相対的に家賃が抑えられる駅の需要が⾼まった⼀⽅、新型コロナウイルス感染症の5類への移⾏によりテレワーク実施率が低下し、通勤利便性を重視する⼈が増加。これにより都⼼の需要が増加したほか、⼤規模開発における賃貸住⼾の募集開始によってビジネス街に近い住宅エリアの駅もランクインした。

LIFULL HOME’S総研のチーフアナリスト・中⼭登志朗⽒は、「コロナ明けで、多少賃料⽔準が⾼くても毎⽉の交通費や所要時間を考慮し、勤務先もしくは学校の近くに住みたいというニーズが顕在化した」と分析。さらに、「円安の継続による諸物価の⾼騰や⽣活費全般の上昇は、シングル向け賃貸住宅を借りるユーザーの懐を直撃しており、ターミナル駅から数駅先の賃料が⽐較的安価な普通停⾞駅で問合せ数が⼤きく増加している」とコメントを寄せている。

 
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