「スマート置き配」サービスに関するアンケート発表
スマートロックや「スマート置き配」を提供するライナフ(東京都千代田区)とUR都市機構中部支社は、置き配サービスの利用実態などの把握を目的にアンケート調査を行った。「スマート置き配」が導入されている名古屋市内の64棟5,150戸のUR賃貸住宅を対象に、1,400件以上の回答が得られた。
「スマート置き配」は、オートロックのマンション向けの置き配サービス。ライナフが提供する「NinjaEntrance(ニンジャエントランス)」をマンションエントランスに設置し、共用エントランスの鍵をデジタル化することで、指定された場所に配達員が荷物を届けることができるサービスだ。導入に当たっての初期費用や月額費用、工事費用などの負担もないことも特徴となっている。
置き配の利用割合を集計したところ「サービスを知らなかった」が48%と高く、「利用した」と回答したのは全体の34%、「サービスは知っているものの、利用経験はない」が18%となった。
ただし、置き配が導入されていることを知らなかった入居者の61%が「使ってみたい」と回答しているため、サービスの認知度が向上すれば、6割程度の利用が見込まれる。
認知度の向上によりサービスの不安が解消され、利用につながるの可能性もるようだ。
アンケート実施前(サービス内容説明前)の置き配サービスに関するイメージ調査では、ネガティブなものに「セキュリティ」や「盗難」が心配などの声が挙がっている。
置き配を利用するおもな理由が「タイムパフォーマンス」の向上であることも判明した。
置き配サービスの利用理由では、一番多いのが「配達日時に在宅しなくてよい」だった。次いで「再配達を依頼するのが面倒」「再配達を待つ時間がもったいない」などの理由が続いた。
「置き配」利用者の97%が、「再配達が減った」と回答しており、実際にタイムパフォーマンスの向上に貢献していることも分かった。
宅配ボックスがある住戸でも、玄関先まで荷物を届ける「置き配サービス」にニーズがあるようだ。
宅配ボックスが設置されている家の住人に、「宅配ボックスは足りているか?」を質問したところ、回答者の68%が設置が十分だと感じている。
「宅配ボックスが十分」だと答えた住人の42%(3人中2人)が「置き配サービスを利用した」と回答した。住戸に宅配ボックスが足りていても、「置き配サービス」が必要とされている。
「サービスを知っているが利用したことがない」は21%だった。
置き配サービスは賃貸物件に独自の価値をつけるサービスとしても役立ちそうだ。
「置き配」利用者に、「次に住む物件も置き配対応が良いか?」尋ねたところ、81%が「置き配対応が良い」と回答した。「置き配対応が良い」と回答した40%が「条件として重視」していることもわかった。
「今後置き配を利用したいサービス」について尋ねたところ、置き配サービスは日用品や食料品のECで利用したい人が多い。家具や家電の置き配ニーズが比較的高いこともわかった。