2023年12月19日、(一社)不動産クラウドファンディング協会による「不動産クラウドファンディングデータベース公開イベント」が開催された。
2023年8月に設立された同協会は、不動産クラウドファンディング市場を、客観的・中立的な立場で俯瞰し、業界の信憑性や透明性、認知度の向上に寄与する活動を目的とした団体だ。会員企業は2023年12月時点で24社。
今回発表された「不動産クラウドファンディングデータベース(Real estate Crowdfunding DataBase 以下:RCDB)」は、各社の不動産クラウドファンディングサービスの情報をまとめたもので、協会のHPから確認することができる。
協会の会員企業は情報提供が義務となっており、物件の取得年月や所在地といった物件情報をはじめ、個人や法人、クラウドファンディングに参加した人数といった調達金額に関わる情報、想定利回り、鑑定評価といった情報が公開されている。また、ファンド運用中や終了時の、当初契約期間の延長の有無や物件の譲渡先、実質利回りといった情報も集計されている点は、他で公開されているデータベースと異なる点で、より深い情報を知ることができる。
イベントでは、2023年9月~11月の間に運用を開始したファンド情報をとりまとめた統計データ(ファンド数23件、物件数61件)も公開された。
平均想定事業期間は16カ月で、最長想定事業期間は30カ月、最短のものは3カ月。延べ総事業費は125億円で、延べ調達金額は96.2億円。個人投資家からは94.5億円を調達し、法人投資家からは1.6億円を調達。ファンドごとの平均調達額は4.2億円だった。
延べ投資家数は20,169人。そのうち個人投資家は20,079人で、平均投資額は470,779円だった。法人投資家は90社で、平均投資額は1,793,111円となった。
今後は、RCDBへの機能拡張を予定しており、会員事業者別ページの制作や検索機能、CSVでダウンロード機能などが追加されるという。また、毎月月次でのサマリー開示や事業者のピックアップレポートなども計画されている。
イベントに登壇した、同協会の代表理事でクリアル(東京都港区)代表取締役の横山大造氏は「不動産クラウドファンディングは、世間一般にはまだまだ認知度が低く、業界の発展には透明性や信頼性が欠かせない。今回公開したデータベースを個人投資家に広く知ってもらうことで業界の拡大を図りたい」と語った。