スマートホームサービス「SpaceCore」を提供するアクセルラボ(東京都新宿区)は、「スマートホームの利用実態に関する市場調査」を実施し、2023年8月9日にその結果報告会をオンラインで行った。

同調査は、全国の18~69歳の全国の男女で、スマートホームの利用経験のある方、または利用を検討している一般消費者(事前調査30,000サンプル、本調査618サンプル)と、不動産事業者のなかでもデベロッパーやハウスメーカーなど様々な業種区分のなかで、住宅設備の販売やブランド/メーカーの選定を行うことがある人(事前調査28,104サンプル、本調査825サンプル)を対象とした調査だ。

画像提供=アクセルラボ

一般消費者におけるスマートホームの認知状況では、スマートホームという言葉を知っていて、その内容まできちんと知っている(内容認知)割合は、19年に同社が行った調査では12.9%だったのに対し、今回は37.2%に増加していた。

また、一般消費者のスマートホームの利用状況では、導入層が19年調査では1.80%だったが今回は4.03%、検討層は7.42%から9.66%と、僅かに増加していることがわかった。

マーケティングユニット・ユニットリーダー・浅野有汰氏 画像提供=アクセルラボ

報告会の進行を務めた、マーケティングユニット・ユニットリーダーの浅野有汰氏は、「他の事業者が行った調査では、利用率が10%台という結果も多く、回答サンプルの違いなどが影響しているのかもしれない。ただ、導入層は増えているので、一定の普及は進んでいるものと考える」とコメントした。

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また、スマートホーム(スマート家電)を導入したきっかけについては、「家電の購入・買い替え」(19.42%)が最も多く、「機能を知って便利と思ったから」(16.83%)、「住宅の購入・リフォーム・引っ越し」(16.18%)と続いた。

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スマートホームの満足度については、「満足している」(40.00%)、「やや満足している」(43.78%)と、導入層の80%以上が満足しているという結果だった。

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一方で、検討層がスマートホームに持っている不安点としては、「初期費用の高さ」(14.69%)、「維持費用(ランニングコスト)の高さ」(11.82%)、「故障やトラブルがあった場合の対応」(9.33%)といった物の割合が高かった。

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不動産事業者の取り組みに関して、スマートホームに取り組んでいるかを聞いた質問では、44.61%が「取り組んでいる」という結果だった。業種別では、ハウスメーカー(62.14%)やデベロッパー(60.19%)、設計事務所(51.72%)で取り組んでいる割合が高かった。自社で物件や建物を企画・設計する業種の方が、設備に関する決定権があるためスマートホームにも取り組みやすいのではないか、と考えられる。

画像提供=アクセルラボ

では、実際にスマートホームに取り組んだことで、売上にどのような効果があったのかを尋ねた質問では、全業種平均で22.8%が「増加」、50.27%が「やや増加」という結果だった。

報告会の参加者から寄せられた「管理会社におけるスマートホーム関連(で増加した)売上とは、何を指しているのか」という質問には、アクセルラボが提供している「SpaceCore」を導入した企業の事例を紹介し、スマートホーム導入による賃料の下落防止や賃料上昇、空室期間の短縮といった効果について紹介した。

また、戸建て住宅に導入が進む要因について尋ねた質問には、消費者の認知が高まったことや、住宅の差別化としてスマートホーム機器が導入されているケース、販売期間が長期化した建売住宅においてはリブランディングして再販する事例などもあることが紹介された。

浅野氏は、「スマートホームの市場は飛躍的に広がっているが、公式的な統計がなく、その実態に関しては我々事業者側からしても見えづらい部分があった。今回の結果を世間の皆様に広く知ってほしい」と、本調査の意義を語った。

 
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