宅建業法改正から1年。電子契約サービス各社の活用状況は

2022年5月18日に改正宅建業法が施行されてから1年を迎えた。

これまで義務づけられていた押印が廃止され、紙面で交付されていた書類が電子書面での交付が可能となった。不動産取引書類の電子契約が解禁され、不動産取引の円滑化やペーパーレス化などが進んでいる。

画像=プレスリリースより

不動産売買に特化した電子契約サービス「Release(レリーズ)」を提供するGOGEN(東京都港区)は、5月18日を「不動産電子契約の日」に制定し(日本記念日協会認定)、業界内外に向けた電子契約の認知訴求に動いている。

不動産取引の電子契約解禁から1年、電子契約サービス各社の活用状況について、それぞれのリリースをまとめた。

不動産投資の売買契約の94.2%が電子化 Gaテクノ

GA technologies(東京都港区)は、ネット不動産投資サービス「RENOSY(リノシー)」における成約データをもとにした、オンライン不動産取引の現状のインフォグラフィックスを公開した。

画像=プレスリリースより

同社によると、22年5月18日~23年3月31日に行われた、重要事項説明を含む売買契約の電子化率は94.2%だった。不動産契約に至るまでの面談方法は、86%以上がオンライン面談で、オンラインを主軸とした不動産取引が進められていることがわかる。

画像=プレスリリースより

オンラインでの売買取引は、ペーパーレス化にも繋がっており、物件の仕入れから契約までに削減した紙の枚数が343万8,672枚にものぼったという。また、対面での折衝が不要となったことから、宅建士の出張費用も510万8,836円削減できたという。

イタンジ 賃貸取引における年間約124万枚の紙を削減

GA technologiesのグループ会社であるイタンジ(東京都港区)は、賃貸事業者に向けた電子契約サービス「電子契約くん」による電子契約件数が、22年度に約87,000件に到達したことを発表した。

画像=プレスリリースより

23年1月末現在、同サービスの契約者数は約500社で、年間約124万枚のペーパーレス化を達成したという。また、不動産仲介会社に実施したアンケートでは、利用率がNo.1に選ばれるなど、利用企業は増加傾向にある。

グッドデイズHD 電子契約締結年間96,000件。前年比20%増

gooddaysホールディングス(東京都千代田区)が提供する不動産賃貸業向け電子契約サービス「IMAoS(イマオス)」は、22年度の電子契約の締結件数が約96,000件と、前年度の約80,000件から20%増加していた。

画像=プレスリリースより

また、増加分のうち約3,500件は改正宅建業法等の施行で解禁された重要事項説明書等の電子交付だったという。

電子契約に意欲的な不動産事業者が増えている

冒頭のGOGEN社が、不動産売買事業者対して「不動産書類における電子契約の導入・利用状況」について尋ねたアンケートでは、47.4%が既に電子契約サービスを導入している、47.4%が検討中とあり、約95%の不動産事業者が電子契約に対して意欲的であるという結果だった。

画像=プレスリリースより

22年の宅建業法改正は、一般のメディアやニュースでも大きく取り上げられたことから、一般消費者も不動産取引における電子契約を広く知ることとなった。

非対面やオンラインでの不動産取引は消費者にとってもメリットが大きく、電子での書面交付を求める声が高まっている。より便利な取引を望む顧客のニーズに十分応えられるかが、これからの不動産業者には求められている。

 
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