共有資産の売却は面倒で空き家になりがち
通常、不要になった土地や建物は売却をするという人が多いです。ですが、その不動産が共有資産であり、なおかつ相手の所在が不明になっている場合、連絡が取れないままだと簡単に売却することができません。それにより、空き家として残り続けている建物が結構多いようです。こういった場合、どのような対処をすればいいのでしょうか?
相手同士を全く知らないことも
共有資産を購入・相続した当時はお互いを知っていたり、交友関係を持っていたりすることは不思議ではありません。ですが、何十年も経過して、その共有資産の権利が親族に相続されていたりしたときには、資産の権利者というのは相手がどのような人か知らないことはもちろん、顔さえ見たことが無い・どこに住んでいるかもわからないということも無くはない話です。共有資産の売却には、お互いの同意が必要となります。ですので、所在不明の共有権利者が存在する場合、不要な物件を放置するという結論になってしまいがちです。
相手を見つけるためには
空き家を売却するためには、共有権利者の同意を得るか、共有権利者の持っている権利を購入してしまう必要があります。そこで、共有者を探す必要があります。もし共有権利者が存命の場合は、相手の名前と以前の(知っている)住所から住民票の確認などをして、相手を追いかけていく必要があります。一般的には、住民票というのは本人や家族しか取得することができませんが、共有資産の権利者は民法上共有物分割請求権が認められています。それにしたがって、相手の住民票などを取得することができます。また、もし相手が亡くなっていた場合は、戸籍謄本を取得して相続先を追っていく必要があります。こちらについても、共有物分割請求権に基づいて取得することができます。このような方法で、相手の権利者の居場所や、相続先を見つけて初めて売却の話を始める見通しが立つのです。
法律事務所に相談するのもあり
こういった探しかたは、費用が掛かりますが個人で行うよりも法律事務所などの専門家に依頼したほうが効率よく進めることができるでしょう。共有資産の売却で悩んでいる場合は、専門家に一度相談してみるのもいいでしょう。