同じ投資でも不動産投資と株式投資では、いったいどんな違いがあるのでしょうか。不動産投資では家賃収入を、株式投資では売買による収益を上げることが主な目的となるのですが、その仕組みには様々な違いがあります。
インカムゲインとキャピタルゲイン
まずは不動産投資の仕組みを紹介していきましょう。不動産投資ではマンションやアパートを購入して、その入居者から得る家賃収入がメインとなります。こういった収入は「インカムゲイン」と呼ばれ、投資した金額を何回かに分割しながら回収していく投資法です。一方の株式投資は、とある企業の株式を安いうちに購入し、そして値上がりしてから売却するという方法です。そして購入した時の費用と売却した時の費用の差額が収益となります。こちらは「キャピタルゲイン」と呼ばれ、株式がどれだけ値上がりしたかによって収益が変わってきます。
安定しているのは不動産投資?
このように不動産投資と株式投資はおおむね違う形で収益が発生しているのですが、簡単に紹介した感じでは、入居者さえいれば収益が確定で発生する不動産の方が投資として手軽に行えるという印象があるかもしれません。確かに株式投資においては、株価が値下がりする可能性を考慮すると、安定的に家賃収入が得られる不動産投資なら赤字になることはないようにも思えます。ですが、それほど簡単な話ではありません。実は不動産投資で安定した収入を得るのは非常に難しいのです。確かに常に満室なら、副業としては十分な利益は出るでしょう。しかし、どんな優良物件でも常に満室という状態は非常に難しく、数年に1度は空室が出てしまいます。そうなるとそれだけ家賃収入は減ってしまいますし、さらに加えて管理費や修繕費などの経費、銀行からのローン借り入れがある場合は返済などもあり、それらを考慮すると十分な利益が出るというケースは実は少なかったりするのです。
株式投資の方がリスクは分散できるが…
このように、利益を上げる過程のシンプルさでは株式投資の方が上ですね。とはいえ、もちろんこちらにもリスクはあります。投資先が何らかのアクシデントが起きたりして株式が大幅に下落してしまうということは、ニュースなどを見ていると決して珍しい話ではありませんよね。しかし株式投資では、そのリスクの分散も容易にできるというのが特徴です。いくつかの企業の株を購入しておけば、投資先の企業のうちの1つにアクシデントが起きてしまっても、他の投資先である程度カバーすることはできるのです。もちろんそれでも損失が出る場合もありますし、世界的な経済危機が起きてしまった時など、どうしようもない場合もあります。しかし、こういった分散は不動産投資ではなかなか簡単にできることではなく、大きな違いといえるでしょう。
自分から働きかけることができるのが不動産投資の魅力
確かに手軽に始められるという意味では株式投資の方が優秀かもしれません。しかし、不動産投資にも大きな魅力はあります。不動産投資の最大の魅力は、さまざまなことを能動的に行うことができるということです。きちんとした知識をつけ、購入した物件をより住みやすく、より魅力的なものにすれば、空室率をかなり下げることができます。そうすれば、より収益を確保しやすくなるかもしれませんし、もし売却することになっても、もしかしたら購入時の費用よりも高く買い取ってもらえるかもしれません。確かにそこまで行きつくには時間も費用もかかってしまいます。副業としてやっていくなら手軽にできる株式投資の方があっているかもしれません。しかし、不動産が好きな方や、魅力的な部屋を考えるのが好きな方は不動産投資の方があっているといえるでしょう。