最近ニュースで話題なのが「土壌汚染」。
地下から有害物質やゴミが出てきたと大騒ぎです。
東京を例に取ると、徳川家康が江戸に幕府を開いて400年あまり経ちますが、江戸はもともと海や川だったところを埋立てて街を拡張してきました。
また、17世紀の明暦の大火から始まる数かすの大火事、関東大震災や東京大空襲などで街を破壊されては再建するの繰り返しでしたので、その度にに出た瓦礫(がれき)を埋めたりしていますので、地面を掘ると、自然由来でないものがいろいろと出てきます。
出てきたのが徳川の埋蔵金なら問題ないのですが、最近のニュースを拝見しているとあまり嬉しくないものが出てくることが多いようですね。
一定規模の開発を行う場合、土壌汚染の調査が義務付けられていて、調査の結果、土壌汚染物質が見つかると、取引が停止されたり建物が建てられなくなったりします。また、仮に調査の義務がないと土地だとしても、地中に有害物質が存在すれば、人体への健康被害、悪臭、地下水汚染などのおそれがあります。ですので、不動産の取引を行う際は、土地の調査をしっかり行うことが大事です。
調査会社に依頼してボーリング調査をしてもらえば良いのですが、これには費用がかかります。
そこで、もう少し簡単に土地の履歴(地歴)を調査して、過去に土壌汚染の原因となるような用途(工場や学校・病院などの研究施設等)に使われていなければ、ひとまず安心することが出来ます。
1.地図の調査
住宅地図や航空写真等で、周辺に工場や有害物質を排出するおそれのある施設がないかを確認します。
最近はインターネットを使えば、簡単に 地図(例:Googleマップ)や 航空写真(例:Google Earth)を閲覧できるので便利になりました。
2.過去の利用状況を調べる
●地図・航空写真
過去の住宅地図や航空写真は、図書館などで閲覧できます。出来ればその土地が農地や山林だった頃まで遡れればOKです。
●閉鎖登記簿
法務局で建物の閉鎖登記簿の調査をします。その土地の上に工場等が建っていなかったかを調べます。
但し、登記には公信力はありませんので、「事務所」として登記しているのに実際には工場として使用している・・・等という可能性もあるので注意が必要です。
登記簿は、平成20年まですべて電子化されて、インターネットで閲覧できますが、地歴調査で必要となるのはもっと古い情報ですので、基本的にはその土地のある地域を管轄する法務局まで行って調査をすることになります。
3.役所調査
平成14年に土壌汚染対策法が施行されて、特定有害物質を使用していた施設や工場などは、都道府県知事に届出をする義務があり、届出された情報が掲載された台帳を、市役所の環境保全課(一部都道府県の出先機関)などで閲覧することが出来ます。
この他にも、ボーリング調査の結果などを公表している自治体もありますので、いろいろ聞いてみるといいでしょう。
ここまで調査して特に土壌汚染を想起させる情報が出てこなければ、(100%問題ないとは言えないまでも)まず安心して良いと思います。