はじめまして。不動産鑑定士の四方田(よもだ)と申します。
不動産鑑定士という仕事は、不動産の価格を査定するのが仕事ですが、「不動産の価格がどのように決まるか?」は、地域によって大きく違うものです。
例えば鉄道網が発達した大都市圏では、「駅にいかに近いか?」が価格に大きく影響します。「駅から徒歩20分」より「駅から徒歩5分」の方が、高い価格で取引されるのが一般的です。
しかし、あまり鉄道の本数が多くなく、人々の移動がクルマ中心の地域では、どうでしょうか?
電車が1日に4本しかない無人駅に近いからと言って、高いお金を払うでしょうか?
むしろ、駅から遠くても、役所やショッピングセンター、病院などに近いことの方が重要だったりします。
私は、現在東京で開業していますが、東京以外の地域のお仕事をいただくことがあります。そんな時、まず、その地域について「よく知る」ことが大切です。
最近は、インターネットを使えば様々な情報が、部屋に居ながらにして手に入りますので、使わない手はありません。
私がよく使っているのは、「都市計画マスタープラン」です。
「都市計画マスタープラン」とは、平成4年の都市計画法改正により規定された「市町村の都市計画に関する基本的な方針」(法第18条の2)のことで、市町村議会の議を経て定められる市町村の基本構想です。
基本的には、この地域は賑わいの多い商店街に、あそこの地域は閑静な住宅街に・・・等の今後のまちづくりについて記載されている文書なのですが、計画を語る前に、現状把握として、その市町村の地理や歴史、人口、交通、農業、工業、商業、観光の各種数値等、その市町村についての分析結果が書いてあります。
それぞれの数字は、役所や関係機関を取材して調べることが可能ですが、これが1冊の本(通常は自治体のHPでPDFファイルでダウンロード出来ます。)にまとまっているので、ありがたい限りです。
その街の人口が増えていれば、人が住むための土地の需要が高くなりますので、土地の価格は高くなります。工場の生産高が増えていれば、工場で働く人達が増えてくるはずなので、そうした人達の通勤や生活に便利な地域に住宅やアパート等が建設されるでしょう。
そうやって、不動産を鑑定する際の「礎(いしずえ)」にするのです。
みなさんも、不動産を売ったり、買ったり(貸したり、借りたり)する際に、このようなものに目を通してみてはいかがでしょうか?
何かヒントが見つかるかも知れません。