というように明るい話題もあったものの、ソフトバンクグループはWeWorkとOYOという、海外から持ち込んだ二つの不動産関連ビジネスで失敗したことになります。いずれも、物件を借り上げて、改装したり、家具を置いたりして付加価値をつけて貸し出すことで、利ざやを稼ぐビジネスでした。
おしゃれな雰囲気やネットで手続きが完結する目新しさを打ち出したものの、本質は転貸モデルの不動産業。皆さんご存知の通り、もともと利幅が薄く、また稼働率と常に睨めっこをしなければならないビジネスです。ソフトバンクは転貸ビジネスを甘くみていたと言われても仕方がないでしょう。さしもの孫正義さんも、不動産については先を読むのが難しいのでしょうか。
そんなこんなで、2020年代が幕を開けます。不動産業は「不動産テック」というキーワードが話題になったものの、革新的なサービスはまだ登場しておらず、IT化の域を出ていません。不動産開発も、東京五輪というビッグイベントを超えた先の都市開発の将来像は心もとないですよね。人口減少の中で、どう不動産業を発展させていくのか。あなたはどんな10年間を過ごしますか。