2019年の経済ニュースを振り返る
「日経新聞くらい読めよ」社会人なら誰もが一度は言われたセリフです。そりゃ、客先で経済ニュースを語れるとかっこいいですもんね。でも、「だって、みんな読んでないしな…」と、何となく済ませている人も多いのではないでしょうか。それでは、心許ないので最低限に知っておいて欲しい経済ニュースを、経済誌の現役記者・編集者がこれ以上ないくらいにわかりやすく解説します。2019年の経済ニュース…主役はあそこだったな~。(リビンマガジンBiz編集部)
みなさん、2019年は何回、日経新聞を読みましたか。2020年はもう少し読めるようになりましょうね。日経じゃなくてもいいけど、経済ニュースに触れる機会を持つと、話の幅が広がりますし、不動産営業にもプラスになるので、ぜひ。
さて、2019年は、「消えた2000万円問題」や消費税率10%への引き上げなど、政策的な話題も多くありましたが、やはり、令和元年の今年の主役は、良くも悪くも、ソフトバンクグループでしょう。
記憶に新しいところでは、ヤフー(現・Zホールディングス)によるファッションEC、ZOZOの買収です。9月のことでした。金額は4000億円。創業者の前澤友作さんはZOZOを引退することになりました。
10月には、米WeWorkの業績不信が大きく報道されました。おしゃれなコワーキングオフィスとして市場を席巻しているWeWorkですが、株式公開を目前に、経営状態が非常に悪いことが明るみになりました。WeWorkの株式評価額は大幅下落し、ソフトバンクグループと傘下のソフトバンク・ビジョン・ファンドは、合計約9000億円の損失を計上しました。ソフトバンクグループの中間決算は、1555億円の営業赤字に転落です。その程度にとどまったのはむしろすごいともいえますが、孫正義会長兼社長も認める「真っ赤っかの大赤字」です。
ソフトバンクグループの投資の「失敗」は、住まい関連サービスを提供するOYOにも及びます。12月に入り、ソフトバンクがOYO LIFEから資本を引き上げていたことが明らかになりました。社長もいつの間にか退任していました。スピード感溢れる損切りの背景には、WeWorkの失敗がありそうです。
OYOはインド発のホテルベンチャー。ソフトバンク・ビジョンファンドの投資先でもあり、日本ではOYO LIFEとして、「敷金・礼金なし、家具家電付き、スマホで契約できる」と大々的にサービスを開始しましたが、稼働率は低く、家主からの評判もよろしくなかったようです。OYOはOYO Hotels Japanとして、国内ホテル運営にも取り組んでいますが、こちらも料金をめぐってホテル側ともめているようです。
ソフトバンクグループとしては、11月にヤフーとLINEが経営統合を発表したことも話題になりました。日本に巨大インターネット企業が誕生するということで、世界と戦える企業になるかが注目されています。