日経新聞を読まない君たちへ

「日経新聞くらい読めよ」社会人なら誰もが一度は言われたセリフです。そりゃ、客先で経済ニュースを語れるとかっこいいですもんね。でも、「だって、みんな読んでないしな…」と、何となく済ませている人も多いのではないでしょうか。それでは、心許ないので最低限に知っておいて欲しい経済ニュースを、経済誌の現役記者・編集者がこれ以上ないくらいにわかりやすく解説します。みなさん正月休みの予定はもう立てましたか?海外旅行に行こうと考えている人、為替のこと本当はよく知らないのに「円安で困るわ~」なんて、言っていませんか?(リビンマガジンBiz編集部)

画像=PIXABAY

みなさんこんにちは。日経新聞を読んでいないみなさんはご存知ないと思いますが、2019年12月8日時点の為替は、1ドル=109円です。2019年は為替があまり動かず、ゆえに為替アナリストは商売あがったり、暇な一年になったと思います。

2019年のここまでのドル円は、ざっくり、およそ1ドル=105円から111円台で推移しました。この場合、105円が円高、111円が円安です。慣れるまではややこしいかもしれませんが、円の価値が高くなればなるほど、1ドルをゲットするための日本円が少なくてすみます。つまり、円の価値が高い=円高(円の数字が小さくなるってこと)です。

2015年には1ドル=120円を上回る円安が進行したり、2016年には100円を下回る円高になったり、激しく動いた時のことを思うと、2019年はあまり為替が動かなかった、ということになります。

さて、そもそも為替とは何でしょうか。それは二つの通貨を交換する時の比率です。米ドルと円の関係の場合、為替市場で、「円を買いたい」という人が増えれば、ドルを売って円を買う動きが活発化して円高が進みます。反対に、「今は円よりもドルだろ」と思う人が増えれば、円を売ってドルを買う動きによって円安になります。要は、市場の需給バランスで為替は決まっています。

この需給バランスは、為替ディーラーたちの動き次第の短期的な話です。素人には読みきれない、投機的な動きや、そのほかの理解不能な事情もあって、明日の為替を読むのは難しいです。為替アナリストだって、予想を外しまくっています。

しかし一応、為替レートは、中長期的には経済の基礎的な力とか(これをファンダメンタルズといいます)、政治情勢とかによって落ち着くべき場所に落ちつくと言われています。

ファンダメンタルズとは、例えば、金利差(金利が高い国の方が通貨も高くなります。そこの国の銀行に預けた方が利息がいっぱいつくから、と考えておけばいいでしょう)、経済成長率(将来有望な国の通貨の方が、値上がりを期待できると考えるわけです)、物価(物価上昇率=インフレ率が高い国の方が、本来は通貨の価値が上がります)などです。強い国の通貨が、より価値が高まるわけですね。

為替には政治の影響が大なんだぜ

 
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