リスクある投資を続けるソフトバンク
投資会社宣言をしたソフトバンクは、さらに企業への投資を拡大させていく方針です。7月には「ソフトバンク・ビジョン・ファンド2」の設立も発表しました。ファンドの規模は約1080億米ドル(約11.7兆円)で、米アップル、台湾の鴻海科技集団(フォックスコン)、米マイクロソフトのほか金融機関などもお金を出す予定です。
このように、一見好調なビジョンファンドですが、業界の目は厳しくなってきています。2019年5月に上場したUberは、取引初日から記録に残る大幅安にみまわれ、今も株価は低迷中。WeWorkも、上場直前で問題が発覚しました。未上場企業への投資は、上場によってボーンと株価が跳ね上がることで大きな儲けを出します。IPO案件の不調が続けば、ビジョンファンドの目利き力に問題があるんじゃないか、ということになりかねません。
ソフトバンクグループは17兆円(2019年8月9日時点)もの有利子負債を抱えています。投資先企業の評価額の悪化は、資金繰りそのものに影響を与える可能性もあります。「お金がたくさんあるから投資している」のではなく、「かなりリスクを追って勝負をしている」のがソフトバンクの実態です。孫さんは、この勝負に勝ち続けられるでしょうか。