日経新聞を読まない君たちへ
「日経新聞くらい読めよ」社会人なら誰もが一度は言われたセリフです。そりゃ、客先で経済ニュースを語れるとかっこいいですもんね。でも、「だって、みんな読んでないしな…」と、何となく済ませている人も多いのではないでしょうか。
それでは、心許ないので最低限に知っておいて欲しい経済ニュースを、経済誌の現役記者・編集者がこれ以上ないくらいにわかりやすく解説します。最近何かと騒がしいWE WORKの周辺について解説します。(リビンマガジンBiz編集部)
こんにちは。日経新聞、読んでますか。読んでいなくても、コワーキングオフィス大手のWeWorkが大混乱に陥っていることくらい、さすがに知っていますよね。
シャレオツな内装、大企業とイケてるベンチャー企業の利用者、ビール飲み放題、世界の利用者と繋がるコミュニティなど、WeWorkは日本いや世界のオフィス市場に新風を巻き起こして急成長してきました。日本でも拠点数をバンバン増やしているところです。
そのWeWorkが、どこかおかしなことになっています。日本国内ではまだ「都会のオシャレオフィス」として君臨していますが、本社の方は相当ヤバイ感じです。今回はWeWorkをめぐる騒動を見ていきましょう。
騒動の発端は、WeWorkを運営するアメリカのThe We Company(これが運営会社の社名です)が9月半ばに株式の公開を延期するとの報道が出たことでした。9月16日に正式に上場延期を発表、もともと9月中の上場を目指していましたが年内に先延ばししました。
9月24日には共同創業者のアダム・ニューマン氏がCEO(最高経営責任者)を辞任、執行権のない会長に就くことを発表しました。この辺りからスキャンダル的なものも含めて様々な問題点が明るみになっていきます。
あまりにたくさん情報があるのでとりあえずまとめると、問題になっているのは、①そもそもWeWorkは儲かっているのか、②評価額が高すぎたんじゃないのか、③企業統治が大いに乱れていたのではないか、そして派生して④ソフトバンク(のビジョンファンド )はどうなっているのか、という問題まで出てきています。
不動産業者のみなさんにとって重要なのは①のWeWorkのビジネスモデルの妥当性でしょう。ここの部分をもう少し見ていきます。