景気の循環をめぐる研究は、経済学の景気循環論の中で発展してきました。大学の授業で勉強した人もいるかもしれません(忘れたでしょうけど)。

最も有名なのが、「コンドラチェフの波」でしょう。「コンドラチェフの長波」と書いてある教科書もあるはずです。景気循環の「波」には長いものから短いものまでありますが、その中で最も長いのが、このコンドラチェフの波です。景気は40〜50年で一つの周期を描いているということを、ロシアの経済学者のコンドラチェフさんが発見しました。20年から25年で景気が良くなって、20年から25年は景気が悪い方向へと動くというものです。その大きな要因は、技術革新にあるとコンドラチェフさんは指摘します。技術革新って、蒸気機関の登場による産業革命とか、そういうかなり大きな動きのことです。

次に長いのが、「クズネッツの波」です。これは約20年周期です。これはアメリカの経済学者、クズネッツさんの理論で、建物の需要を主な要因としています。建物が必要になるサイクル(不動産業の需要も伸びます)と、一通り行き渡って、新規の建設需要が少なくなるサイクルです。

次は約10年周期の「ジュグラーの波」です。これは設備投資が要因。これは一番身近でわかりやすいかもしれません。企業が工場やお店を新設するために設備投資をするときには、いろいろな需要が増えて景気が良くなります(不動産の需要も増えますね)。しかし、それが一巡すると、新しい工場や設備の需要が少なくなっていって、低迷していきます(新しいオフィスや工場用地の需要が減ると、不動産業者も暇でしょう)。

最も短いのが「キチンの波」で、だいたい40カ月。キチンの波は在庫に注目します。

一般的に、この「コンドラチェフの波」「クズネッツの波」「ジュグラーの波」「キチンの波」の4つが重なって景気循環サイクルが形作られていると言われていますが、実際には理論通りに動くと言うものでもありません。しかし、景気に大きな波があると言うことは、経済理論を持ち出されるまでもなく、不動産業者は痛いほどわかるはず。今の良い史上環境がいつまでも続く保障はないし、悪くなってもいずれまた復活の機会はあると言うことです。

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