日経新聞を読まない君たちへ
「日経新聞くらい読めよ」社会人なら誰もが一度は言われたセリフです。そりゃ、客先で経済ニュースを語れるとかっこいいですもんね。でも、「だって、みんな読んでないしな…」と、何となく済ませている人も多いのではないでしょうか。
それでは、心許ないので最低限に知っておいて欲しい経済ニュースを、経済誌の現役記者・編集者がこれ以上ないくらいにわかりやすく解説します。前回に続いて「金利」について解説します。(リビンマガジンBiz編集部)
【▼前回記事はこちら▼】
金利の話を続けます。日経新聞すら読まない君たちには難しいかもしれませんが、知っておくと新聞やニュースに対する関心度がぐんと上がるはずです。何より、お客さんとローン金利の話をする時、お客さんからの質問に答えられず、恥ずかしい思いをする機会が減ります。
住宅ローンの金利には、変動金利と固定金利の2種類がありますね。
前回、変動金利は短期金利、具体的には日銀の政策金利の影響を受けることを説明しました。今回はもう一つの固定金利はどう決まるかを見てみましょう。
固定金利の指標になるのは、長期金利です。もっと具体的に言うと、10年物国債の利回り(金利)が目安になります。短期金利は、いってみれば日銀が操作していますが、では長期金利は誰が決めるのでしょうか。
答えは、市場です。国債の需要と供給によって、金利が変動するのです。
Point
○固定金利=長期金利が指標になる。長期金利は市場で取引される10年物国際の利回り(金利)が目安になる。
国債はいわば、満期になったら全額お金を返す約束で売り出す債券で、「政府の借金」です。国債には色々な種類がありますが、基本的な国債の場合、国債を買った人は、満期までの間、利息を受け取ることができます(利息の金額は固定化されています)。
国債というのは、買ったら終わりではなく、市場で売り買いできます。買い手が多い時には国債の価格が上がり、売り手が多ければ価格は下がります。そして、利息は固定なので、国債の価格が高い時には利回りが下がり、国債の価格が安い時には利回りが上がります。この利回りが、国債の金利です。家賃固定の収益不動産の利回りを想像してみると、皆さんの場合は理解しやすいのではないでしょうか。
さて、国債は期間の短いものから長いものまで様々なのですが、中でも注目されるものの一つが、10年物国債です。一般に、この10年物国債の金利は、長期金利の指標と言われて、常に注目されています。それは10年物国債の金利が、長期的な経済の見通しを反映するモノサシのようなものだと理解されているからです。