さあ、ここからが金利の本題です。仕入れコスト=調達金利の大もとになるのが、中央銀行、日本の場合は日本銀行が決める「政策金利」です。日銀は政策金利を調節することで、物価を安定させています。経済が過熱気味(物価が高くなり生活が苦しい)時には金利を上げます。金利が上がる→ローン金利も上がる→企業はお金を借りにくくなるので、市場に出回るお金が減り、物価も下がる(この政策は「引き締め」と表現されます)。反対の時には金利を下げて、お金を借りやすくします。いまはこの金利を下げている状態です。
この政策金利、具体的には何の金利かというと、金融機関同士でお金を融通しあう市場の「無担保コール翌日物」の金利を指しています。「翌日物」という名前の通り、借りた翌日に返済します。いわば、短い期間のお金の貸し借りに影響する金利で、金利の世界では「短期金利」の指標とされています。日銀はこの短期金利を操作することで、市場のお金の量を操作しているわけです。
この短期金利の影響を受けるのが、変動金利の住宅ローンです。銀行は、調達金利の目安になる短期金利に、自分たちの利益をのっけた金利を住宅ローン金利として提示しています。だから、変動金利の動向を知りたければ、日銀の政策をよくみておくことです。
一方の固定金利は、「長期金利」と呼ばれるものの影響を強く受けます。この長期金利は、日銀の政策よりも、景気の見通しや金融市場の動向を強く受けるのですが、詳しい話はまた次回に。
※次回は9月16日に公開予定です。