日経新聞を読まない君たちへ
「日経新聞くらい読めよ」社会人なら誰もが一度は言われたセリフです。そりゃ、客先で経済ニュースを語れるとかっこいいですもんね。でも、「だって、みんな読んでないしな…」と、何となく済ませている人も多いのではないでしょうか。
それでは、心許ないので最低限に知っておいて欲しい経済ニュースを、経済誌の現役記者・編集者がこれ以上ないくらいにわかりやすく解説します。今回は「金利」について解説します。(リビンマガジンBiz編集部)
不動産ととっても関係が深い「金利」。住宅ローン、収益不動産に関わるアパートローン、開発などでは事業用ローン、その他いろいろな金利が日々の業務に関わっているはずです。とはいえ、日ごろ日経新聞を読まない君たちにとって、金利は難しい話でしょう。そこで2回に分けて、最低限、知ったかぶりできる程度に勉強していきます。
日経新聞を読まない君は、少し前まで、日経新聞朝刊1面の左下に「新発10年国債利回り」が毎日表示されていたのを知らないでしょうね。これはいわゆる「金利」の指標の一つです。以前は日経平均株価や為替(ドル円)と並んで毎日、数字が出ていました。金利ってそれくらい経済にとって大事なものなんです(今は中面のマーケット欄に書いてあります)。ちなみに、8月31日の新発10年国債利回りはマイナス0.280%でした。
では、金利はどうやって決まるのか。君たちに関わりが深い住宅ローンを例に見ていきます。
まず、銀行というのは、どこかから金を集めてきて(調達して)、個人や企業に貸します。お金を貸す時に、元本に「利息」を乗っけることで、稼ぎを生み出すわけです。この利息は、元本に金利をかけて計算します。
じゃあ金利はどう決まるのか。これは銀行が「お金を集めるコスト」や「貸し手(銀行)が負うリスク」などの影響を受けます。
お金を集めるコストは、言ってみれば仕入れのコストです。これは市場の変動を受けて変わります。一方の貸し手が負うリスクは、貸す期間だったり(長くなるほど回収できないリスクが上がるので金利を高くする)、借り手側の信用力だったり(設立間もないベンチャー企業よりも、経営の安定した大企業の方がちゃんと返済してくれそうなので金利を低くする)、といった要素で決まるので、個別性が高いものになります。
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